出版社内容情報
ある朝目覚めるとKは有名人になっていた。Kは寄ってくる女性たちと次々に…これは実話かフィクションか!? 芥川賞作家の超話題作
羽田 圭介[ハダ ケイスケ]
1985年生まれ。2003年『黒冷水』で文藝賞を受賞。2015年「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞受賞。著書に『走ル』『不思議の国の男子』『隠し事』『ワタクシハ』『メタモルフォシス』他がある。
内容説明
芥川賞を受賞したKは、いきなりTVに出まくり、寄ってくるファンや友人女性と次々性交する。突如人生が変わってしまったKの運命は?芥川賞作家の超話題作。
著者等紹介
羽田圭介[ハダケイスケ]
1985年、東京都生まれ。明治大学卒業。2003年、『黒冷水』で第四〇回文藝賞を受賞し、十七歳でデビュー。2015年、『スクラップ・アンド・ビルド』で第一五三回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
527
芥川賞受賞で一躍脚光を浴びた作家自身をモデルに描く。まずは自らのことを「成功者」と言ってのける韜晦ぶりに驚く。もちろん、本書は基本的にはフィクションだが、同時にそこにはデフォルメされた羽田がいることも確かである。では、どれくらい脚色されているかといえば、私の想像では表紙の写真が確かに羽田圭介のものでありながら修正され、美化されている程度にである。本書はまた、逆の側から見れば、テレビ等に対するメディアの虚妄を描いてもいるのだが、羽田はそうと知りつつ露出を続けるのである。なお、本書は小説としても多分に⇒2019/12/26
starbro
348
羽田圭介、3作目です。自意識過剰の私?小説でしたが、3作の中では一番面白く一気読みしました。現実が何割か含まれた私小説なのか、全て著者の妄想なのかは何とも言えませんが、こういう小説を書いていると売れない芥川賞作家になるような気もします。著者は『成功(性交)者K』Tシャツも着てるんでしょうか?この本を読んでモテるべく芥川賞を目指す青少年も増加するのかなぁ?【読メエロ部】2017/03/24
優希
151
究極の私小説として成り立ち、実話か実話でないかを曖昧にするさじ加減の巧さに脱帽です。芥川賞を取り、作家として成功を勝ち取った自分をモデルに、その自意識をこのような形ではっきりと表現することはある意味凄いとしか言えません。華麗な道へと歩み始めたKが、いつしか普通の日常を歩むKへと舞い戻っているのは、やはり作家という職業の性とでも言うべきでしょうか。メタフィクションとしてかなりインパクトのある作品だと思います。2017/03/21
しのぶ
138
粗筋から拝読。芥川賞を獲られた著者で実際にメディアに露出が多くなった方なので、実体験多く面白く読めるかと思いきや別の意味で興味深く読み終えた。成功と陰りを味わう主人公の行動の描き方が上手い。ただ成功者と性交者をかけているのはわかるが、文章に使われる単語が思いのほか品が無くて驚いた。2017/08/03
テクパパザンビア
122
面白かった。芥川賞を取れば成功者になれ女優さんや沢山の美人と性交がすぐ出来ると売れてない若手作家にやる気をもたらす内容でした。2017/07/01