出版社内容情報
次は誰が死ぬの?――美しいほどに血も涙もない真犯人を、私たちはオープンDと呼んだ。著者最高の青春「犯罪」小説、ついに刊行!!
【著者紹介】
1964年広島市生まれ。青山学院大学卒業。“津原やすみ”名義での活動を経て、97年“津原泰水”名義で『妖都』を発表。著書に『蘆屋家の崩壊』『ブラバン』『バレエ・メカニック』『11』(Twitter文学賞)他多数。
内容説明
「次は誰が死ぬの?」自分がロックバンド“爛漫”に関わってしまったことを、後悔したことは一度もない。著者最高の青春犯罪小説。
著者等紹介
津原泰水[ツハラヤスミ]
1964年広島市に生まれる。青山学院大学卒業。少女小説家“津原やすみ”としての活動を経て、97年に現名義で『妖都』を発表。幻想小説作家として本格的に活動を始める。2006年に刊行された『ブラバン』はベストセラーに。また09年『バレエ・メカニック』、11年『11』(第2回Twitter文学賞受賞)は、各種ランキングを席巻した。14年「五色の舟」(『11』収録)がSFマガジン「オールタイム・ベストSF」2014年度版国内短篇部門で一位に、また同作は近藤ようこ氏により漫画化され、津原氏は第18回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
95
文庫三部作をハードカヴァー一冊にまとめるという、普通とは逆の形式。私は文庫版の存在を知らなかった。津原さんの音楽小説を読むのは本作が初めて。音楽小説、教養小説、恋愛小説、ミステリ、それら全部の要素を併せ持つ。少女の語りは違和感なく達者。男性作家で女性の語りが巧みなのは、この人と米澤穂信かな。恋愛小説の面が一番良かった。音楽の技術面の描写はよく分からなかった。バンド経験者なら通じるんだろうな。ニッチの死に意味があったんだろうか。絶対音感を持つ生徒をいじめる音楽教師って、ひどいな、それ。2017/09/29
そうたそ
41
★★★☆☆ 先に新潮文庫で三冊にわたり刊行されていた作品を一冊にまとめ出版したもの。津原さんの作品といえば、SF・幻想的な雰囲気の強いものが最近では多く、やや人を選ぶ作品が多いという印象だがこれはそういう意味では万人に薦めやすい内容。青春犯罪小説と帯に書かれているものの、限りなくミステリの要素は薄い気がする。真相が二転三転する辺りミステリっぽい意外性はあるのだが、やはりこの作品の魅力はそこでなく主人公の成長を描く青春小説としての部分ではないかと思う。作者のロック・音楽愛が作品に滲み出ているのがまた良い。2016/02/25
yumiha
26
怪奇的な『ピカルディの薔薇』が怖すぎたので、津原泰水作品を敬遠していたのだが、読み友さんレビューにつられて読了。な~んも怖いことあらしまへん。同じ作家?と思うほど印象が違う。端々に見方や表現に津原泰水的なものが見えるけど、な~んも怖いことあらしまへん。ロックバンド「爛漫」をめぐる殺人事件を、絶対音感を持つ「くれない」さんが追ってゆき、そこに楽器などの音楽的要素が盛り込まれた作品。章ごとに犯人が変わってゆくただならないミステリーちゅうとこか?「くれない」さんの人物像が私好みだった。2017/10/19
Shimaneko
16
読み終わるのが惜しいほど魅了されつつ、でも先が気になって止められないという至福の読書体験を堪能。「若々しい孤独と情熱」(解説より)を描いたバンド物+少年少女の成長譚といえば、自分的に即連想されるのは森脇真末味の名作コミックで、爛漫も音的にはスランのイメージ(どっちも妄想だけど)。くれないと鋭夫の無駄な会話が最高にキュートで、最後のシンプルな4行では、いい年こいて思いがけず、そして自分でも理由の分からん涙がほろり。面白かった!2017/09/21
miroku
15
凄いな・・・2020/09/30