出版社内容情報
手のひらにほどよい重みを感じる「あんこ」のお菓子。愛しいあんこにまつわるエッセイ39篇を収録。おいしい文藝シリーズ第7弾。
【著者紹介】
1908年東京浅草生まれ。小説家、落語・歌舞伎評論家、演芸プロデューサー。法政大学仏文学科卒。八世竹本都太夫の長男として生まれ、芸能記者として都新聞、東京新聞ほかに文楽、落語、演劇評を執筆。『巷談本牧亭』で直木賞受賞。他の著書に『寄席紳士録』『落語国・紳士録』『寄席はるあき』『わたしの寄席』『三木助歳時記』など。
内容説明
掌の重みは、おいしさの証。安藤鶴夫、糸井重里、上野千鶴子、武田花、平松洋子、村松友視ら39人による「餡」にまつわるお話。
目次
しるこ(芥川龍之介)
甘いものゝ話(抄)(久保田万太郎)
粟ぜんざい―神田(竹むら)(池波正太郎)
鶴屋のお菓子(小島政二郎)
ギリシャの神(戸板康二)
「羽二重団子」で日本酒を飲む(重金敦之)
あんころ(井上靖)
夜明け前、赤福を買いに(北尾トロ)
追分羊羹の贅沢(村松友視)
和菓子(上野千鶴子)〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
155
様々な方の書いた、あんこやあんこを使ったお菓子についての文章を集めた本。お菓子そのものだけではなく家族や友人や恩師などとのかけがえのない思い出が語られているものが多く、それぞれに温かさや切なさが感じられた。このシリーズは「ひんやり、甘味」に続き読むのは2冊目だけど他にも出てる甘いもの以外のも機会があったら読んでみよう。2016/03/13
いつでも母さん
148
つぶあん、こしあん、どっちでも良い。な~んて『でも』って何?私は、どっちも良い!と言うのだ!あんこ大好き!お米も大好きな私には『ぼたもち・おはぎ』は最強の食べ物であります。おいしい文藝!今回は『あんこ』と来たら読まねばなるまい❤芥川から、そうそうたるメンバーのアンソロジー皆さん笑える位、熱い!あんこの派閥それぞれが押すが、私には不思議。決められる訳は無いのだ。元は小豆どちらも美味しいに決まってる。母が作るあんこの鍋に指でこっそり味見した事を思い出す。熱々のあんこ、美味しかったなぁ。あんこでビールもイケる。2015/12/08
ケイ
134
芥川龍之介が「しるこ」を読めば、脳内から離れず。内田百閒の「大手饅頭」:子供のころ好きだった饅頭をお土産に頼んだら、手に届くまでに時間がたってそのうちにヒゲまで生えてきた…、おかしくて涙が出る。安藤鶴夫の「たいやき わかば」:「しっぽまであんこが入ってる。えれえな、おじさん」お店のおじさんは開店から一年で初めて指摘されたと泣く。安藤はそれを新聞に載せる。評判になる。その後の店主と安藤との江戸っ子でぃのやりとりには泣いた。東海林さだお「“こし”か“つぶ”か」国民投票しますか?でも“つぶ”ですって絶対。2016/03/27
佳音
115
【感想推敲】あんこ。魅惑的である。芥川は、珈琲よりしるこだという。飲み物なのか。私の作るお汁粉は、限りなくぜんざいに近い。飲まない。食べるの。珈琲出す店より、旨いしるこを出す店を欲しがる芥川。「つぶれたおはぎ」に寄せて母との幸福な思い出を語る青木玉。ああ、あんこ。無類?のあんこ好き、読メの某姐さまだったらどう寄稿されるだろうか?2017/04/25
優希
100
あんこについてのまさに「おいしい文藝」でした。あんこというとやはりつぶあんかこしあんで論争が出るのはお決まりで、人によってこだわりがあるんだなと思いました。あんこへの思いやあんこにまつわる思い出など色々なことが書かれているのが面白かったです。あんこの魅力が詰まっていて、あんこが恋しくなります。ずっと食べてないおしるこが食べたくなりました。2016/10/09