出版社内容情報
家庭や日常を描く名作ドラマの数々を世に届けた脚本家はこの十年、何を見、思ってきたのか。名手がおくる、しみじみ深いエッセイ集。
内容説明
戦後日本を描き続けた名脚本家が、70代に考え、心に留めたこと。深く胸に沁みる名エッセイ。
目次
1(脱・幸福論;数秒の笑顔 ほか)
2(音楽会の記憶―日比谷公会堂;学生服の美意識 ほか)
3(小津の戦争;渋谷恋文横丁 ほか)
4(作家をめぐる本―チェーホフ、カフカのことなど;回想を失ったら、すべてを失う―アリステア・マクラウド『灰色の輝ける贈り物』 ほか)
著者等紹介
山田太一[ヤマダタイチ]
1934年、東京浅草生まれ。脚本家、作家。早稲田大学卒業後、松竹大船撮影所入社。演出部で木下惠介監督の助監督に。65年、脚本家として独立。「岸辺のアルバム」「早春スケッチブック」「ふぞろいの林檎たち」「時は立ちどまらない」など数多くの名作テレビドラマの脚本を手がける。88年、長編小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞、2014年、エッセイ集『月日の残像』で小林秀雄賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりくに
13
山田太一のドラマが好きです。彼のエッセイも。大言壮語でなく、穏やかな物言いが。沢村貞子夫妻との感情細やかな交流がいい。彼女の「老いの道づれ」買ってきた。読むのが楽しみ。後半の書評もとても良くて、ぜひ読んでみたい気になる。「あとがき」にある画家の「木下晋」の美しい「皺」見てみたい。「皺のない肌はつまらない」というのは、目から鱗。山田太一の新しいドラマ期待!2016/03/07
かおる
8
自分の身体にも実感として老いを感じるようになった今、氏のエッセイが心にしみる。食レポの反応の速さあるいはテクノロジーの進化の速さに違和感を感じ、感受性や活力がそんな世の流れに飲み込まれ適応不全の老人はやはり「昔は良かった」風なことを言ってしまう。氏の言うように避けられない宿命性を「うららかに」愛する生のなかで、身近な小さな発見にしあわせを感じ、時々魂のはなしして過ごして行けたらどんなに良いだろう。あとがきが素敵だった。私が書くと陳腐になるから言わないけど…2025/08/01
今夜は眠れない
8
いかにも、著者らしい。あとがきも面白かった。2015/11/25
nizimasu
7
山田太一さんのエッセイ集。あとがきによればそのすべての文章は70代に書き後書きだけが80代になってからだとか。ニヒリズムというかどこか人間に対する信頼から距離を置いている感じが個人的には非常に合点がいく。戦争を通過してそこから湧いてくる社会との距離感。後半は書評が多くてほとんど手にする機会のない文学がほとんどだけど山田さんの筆致はつい手に取りたくなる。中でも中野翠さんが書いた小津の本は惹かれた。文章もさることながらイラストもいいと珍しくべた褒め。多分、絶賛一辺倒にならないのがいいのだろう。愛情を感じる文章2015/10/04
ひさか
5
2015年8月刊。70歳代の時に書いたものとあとがきにありました。初出が1998年〜2014年の間のエッセイ的なもの52篇です。「雷門」では、お父さんのことが語られ、異人たちとの夏を彷彿とさせる描写があり、興味深かったです。深く、潔ぎよく語られる山田さんの思いは、貴重です。2016/01/28
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