出版社内容情報
犯人は…人間ではないかもしれない――1984年、長崎市の山村で、その「事件」は勃発した。新たな怪獣(モンスター)小説の誕生!
【著者紹介】
1972年、長崎市生まれ。山口大学人文学部中退。日本映画学校卒。出版社勤務を経てフリーランスに。主な著作物「フリーという生き方、「蒸発父さん」、「半ズボン戦争」、「あくたれ!」など。
内容説明
「赫獣」による犠牲者…1000名以上、始まりは、山中で発見された、「何か」に噛み切られた人間の掌だった。新たなモンスター小説の誕生。
著者等紹介
岸川真[キシカワシン]
1972年長崎市生まれ。山口大学人文学部中退。日本映画学校卒。出版社勤務を経てフリーランスに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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sin
48
無駄のない筆運びで物語が綴られていく、登場人物それぞれの覚悟が物語を引き締めている。そのうえ予想外の大盤振る舞いにもかかわらず無理なくそれぞれが結びついて終局に雪崩れ落ちていく様が見事だ。唯一この文脈の中で洒落た会話で表現された“デカい爆弾(原爆)”が、長崎の人間がそのように口にするとは思えず作者の筆が滑ったかのように感じられたが…。2015/07/08
Bugsy Malone
40
未知の獣に蹂躙される人と町。凄まじいまでの破壊力と残虐性を目の当たりにした者達は、自らの命を賭してでもその圧倒的な力に立ち向かわざるを得なくなる。それぞれの想いを背負った者達が、自らが獣を斃そうと闘う姿は、まるで死に誘われるようでもあり胸を熱くさせられる。米軍の極秘実験により怪物が出現するという、定番の設定であるにもかかわらず、他のモンスター小説とは確実に一線を画する作品だと思う。2015/06/21
まえすとろ
40
1984年、長崎市大浦町を襲った「鍋冠山獣害事件」を描いた怪獣小説。米軍の開発した生体兵器の事故により誕生した怪物によって住民の大量食害事件が発生。在日米軍の関与という性格上、政府は自衛隊の出動を拒み地元警察に対し『食害事件』として県警内での処理を厳命する。未曽有の獣害事件に苦慮する県警の警察官、知人を屠られ仇討に乗り出す老兵、恋人を喰い殺され復讐に燃える教師らは、故あって個々に魅かれる「死」と執念にも似た「生」は想像を絶する獣との≪戦争≫の中に作者は日本人の戦争、死と生を読者に問う大人が読む怪獣小説。 2015/06/08
キキハル
17
気持ちの良い物語ではない。なにせ人が死に過ぎる。それも惨たらしく引きちぎられ、喰われ噛み砕かれて。長崎市の鍋冠山での異変は、多数の犠牲者と行方不明者を出す大事件となっていく。犯人は端から予想がつくので驚きはない。それよりも自衛隊やマスコミをまったく登場させないのは、あくまでも警察としての闘いを貫くためなのだろうか。確かに最終決戦の様相はスリリングで面白かった。それぞれに覚悟を決めて敵に向かっていく姿は実にあっぱれ。だた人物に奥行きを出すためか、やたらに過去を回想するシーンを入れるのは興ざめで残念だった。2014/08/15
みー
11
B級映画・・いやっ、C級映画を観ている様な物語。登場人物が多く、その略全ての人がどんどん死ぬ。一体誰が主人公?だから、人物描写も足りていないような。凄くアッサリとしているのよね。人物の背景が・・。不明の獣被害を描きながら、過去の戦争を盛り込んでみたり。戦争を入れることで人物や物語に深みをとか、より残酷・残虐性をと言う意図があるのかもしれないが、全体的に物語に深みがないし、文章も浅い。私は、結構グロイ描写など平気だが、これは大切な物語が今ひとつだった。ただのグロい表現を連ねただけってイメージ・・。残念。2015/12/01
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