翻訳教育

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309022512
  • NDC分類 904
  • Cコード C0095

出版社内容情報

フランス文学の名翻訳者が鴎外、ネルヴァルらを引きながら「翻訳」という営為の本質に迫り言葉・文学・世界を思索する極上のエッセー

【著者紹介】
1959年、新潟県生れ。フランス文学者。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。2011年、『異邦の香り』で読売文学賞を受賞。著書に『フランス文学と愛』、訳書にウエルベック『地図と領土』等多数。

内容説明

我々はみな、「翻訳」している―人間の営みは、互いが互いを訳しあう中から立ち上がってきたのではないか。スタンダールからウエルベックまで手掛けるフランス文学の名翻訳家がその営為の本質に迫り、言葉・文学・世界を思索する極上のエッセー。

目次

1 翻訳の大いなる連鎖
2 翻訳者の情熱と受苦
3 ロマン派の旗のもとに
4 再現芸術としての翻訳
5 偉大な読者たち―マーラーと鴎外
6 永遠に女性的なるもの?
7 翻訳教育
8 合言葉は「かのように」
9 トランスレーターズ・ハイ
10 翻訳の味わい

著者等紹介

野崎歓[ノザキカン]
1959年、新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、映画・文芸評論。東京大学文学部仏文科卒業。東京大学大学院人文社会系研究科教授。2000年、ジャン=フィリップ・トゥーサン作品の翻訳でベルギー・フランス共同体翻訳賞、01年『ジャン・ルノワール越境する映画』でサントリー学芸賞、06年『赤ちゃん教育』で講談社エッセイ賞、11年『異邦の香り―ネルヴァル『東方紀行』論』で読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

奥澤啓

57
新宿駅西口の雑居ビルが林立する一画のビルに、フランス図書というフランスの文学、哲学、思想、海外文学の仏訳書等をあつかう書店がある。日本の仏文系の人間で、この書店のお世話にならない者は、おそらく、いない。定期的に送られてきた瀟洒な目録は、ネットがない時代にはフランスの本への水先案内人であった。しかし、店舗販売をやめネット通販のみになった。目録も廃刊しウェブカタログのみになった。仏文科が姿を消し、フランス語学習者も減るという時代を反映しているのだろうか。野崎氏のこの書店への愛着を込めた一篇が本書にある。2015/04/02

奥澤啓

50
フランス文学翻訳家によるエッセイ集。書物と文学と言葉への、そして何よりも翻訳への愛情が伝わってくる。登場する作品すべてをすぐにでも読みたくなる。フランス文学だけでなく鴎外にも触れられており、鴎外訳『ファウスト』の訳文についての考察、そして、『澀江抽齋』をめぐっては翻訳者ならではの視点から論じられる文章が新鮮だった。石井晴一氏がバルザックの翻訳に取り組んだときのエピソードにも教えられた。野崎氏は日本文学にも造詣が深く、『谷崎潤一郎と異郷の言語』という書物もある。谷崎と外国語・外国文学との関わりが論じられる。2015/03/02

りつこ

34
良かった。翻訳本が大好きなので、日本語がおかしいとか読みづらいとか母国語じゃないからと言われると、ええ?!って思っていて、だけどうまく反論出来なくて歯がゆい気持ちでいたんだけど、野崎さんの熱い想いを読んでいろいろ納得がいったのだった。一度対談を見に行ったことがあって、とてもスマートで素敵な人という印象があったんだけどその印象は変わらない。文学への憧れと情熱を持った本当に素敵な人。翻訳家の方がいるから世界の文学を読むことができる。感謝と尊敬の気持ちでいっぱいだ。2014/06/11

harass

26
翻訳家仏文学者による翻訳エッセイ。いろいろおもしろい話が多く楽しめた。森鴎外の翻訳のことや鴎外の孫で、森茉莉の子供であった、山田ジャクの思い出。著者はジャク先生の授業を受けたことがあり、その様子について。鴎外によるジャクの字の意味など。(1,スズメの意味 1,杯の意味) 仏本国での仏語翻訳の歴史など。「世界で一番優れた言語」の自負があったフランス語は、海外小説がそのまま翻訳されなかったそうだ。『世界一美しい言語』のフランス語の基準から訳を改竄省略したりが当たり前だった時期があったのだという。2014/09/26

猫のゆり

21
翻訳家の方のエッセイには外れがない。野崎歓さんの翻訳以外の文章は初めて読んだのだが、とても面白かった。仏文学者なのに『ファウスト』話が多くて最初ちょっと意外だったのだが、翻訳家としての鴎外とネルヴァル、音楽と翻訳が似ていることなど、どの話題も楽しくて時間を忘れて読んだ。それぞれの翻訳家が身を削るようにして真摯な仕事をしてくれるおかげで、外国の優れた作品を読むことができるんだ、と改めて感謝の気持ちが湧き起ってきた。翻訳小説の読者がもっと増えればいいのに、という思いも(ずっと持っているんだけど)更に強まった。2014/02/20

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