内容説明
不気味なユーモアと、痛快な毒の使い手・待望の単行本未収録対談集。
目次
１ 死ぬのは商売（唐十郎―欲望の料理人；大橋巨泉―“人間滅亡の世”に売出した今川焼 ほか）
２ 女はみんなビフテキだ（秋吉久美子―今どきの娘考；ヨネヤマ・ママコ―第三の性をつくる夢 ほか）
３ 社会を作った奴は悪魔だね（寺山修司―デモも恋愛もテレビですます現代人；横尾忠則―親を見放した子、子に捨てられた親 ほか）
４ 小説なんてパチンコと一緒（高峰秀子―老人とロカビリー；大藪春彦―ラブミー農場と文学 ほか）
著者等紹介
深沢七郎［フカザワシチロウ］
１９１４年１月２９日山梨県生まれ。ギタリスト、小説家。旧制日川中学校を卒業後、住み込み奉公のために上京。職業を転々としながらも、中学で虜になったギターの練習は欠かさなかった。５６年、「桃原清二」という芸名で日劇ミュージックホールに出演する中書き上げた『楢山節考』で中央公論新人賞を受賞。鮮烈なデビューを飾る。６０年、天皇家を風刺した『風流夢譚』が右翼少年を刺激し殺傷事件に発展する。やむなく日本各地を“風流逃亡”の後、６５年埼玉県にラブミー農場を開き、あこがれの百姓生活に入る。８１年『みちのくの人形たち』で谷崎潤一郎賞を受賞する。１９８７年８月１８日没（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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アカツキ
9
対談相手によって明らかにテンションが違う。対談の内容もそれぞれ面白かったけれど、そこが一番可笑しかった。素直な人だなぁ。2022/02/23
Kanae Nakajima
9
とにかく毒舌。対談の相手も一筋縄ではいかない人ばかりなのでこれまた面白い。年代を感じる内容もありますが、基本はエジプトの時代から変わらぬ「今時の若いモンは…」だし(ただし否定をしているだけではない)、70年代ですでにTV番組はどのチャンネルも同じ、などこれって年月が過ぎれば過ぎる程内実が薄まっていっているということだよなー、と何故か不安になってしまった読後感でありました。2015/09/29
元気伊勢子
8
生まれることは屁と同じというタイトルが印象的。虚しいなんて思っていたが、読書で6割くらいは気が紛れた。誰に対しても忖度なく率直に話す深沢氏が魅力的。2023/09/01
夜間飛行
6
私は七郎さんの本を読むと、背筋がぴんと伸びたような気分になる。意外だったのは、唐十郎との対談で、「庶民」という言葉は気取っているから嫌だと言っている所だ。七郎さんは「庶民」という言葉を誇らしげに使っていたように思うが、実際は違和感を持っていたのだろうか。なるほど考えてみれば、庶民は自分のことを庶民と言ったりしない。自分のことを庶民と言っている庶民は七郎さん一人だけ……ここに作家である七郎さんの自己矛盾があったのだと気づかされた。そんなこと一つ一つが、放電しているかのように、ぴりぴりと伝わってくる本だった。2012/12/09
hirayama46
5
深沢七郎は変な人だなあ……。まあ自分の牧場にラブミーよ名付ける時点でだいぶ変わっている感じもしますね。そんなナチュラリストっぽいけれど屈折していて一筋縄ではいかないマイペースな深沢七郎による対談は、おおむねのんびりとしたムードで、ほのぼの読める感じでした。野坂昭如もなんだか深沢リスペクトを感じてほっこりしますね。唐十郎の受け答えはかなり鋭敏。「役者というのは卑猥な頭脳者ですからね」2021/04/20
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