内容説明
「非常時」における「正しい」思考とは何なのか?果たして「答え」は存在するのか?高橋源一郎と一緒に考え、そして体験する、「あの日」からの297日。
目次
日記―2011年3月11日から考えたこと
午前0時の小説ラジオ(3月21日・「正しさ」について―「祝辞」;7月3日・おれは、がんばらない;10月17日・ぼくたちの間を分かつ分断線;12月12日・祝島で考えたこと)
文章―2011年3月11日から書いたこと(3・11ニッポンの「戦争」;震災の後で;強度あり―第16回中原中也賞選評;想像上の14歳へ ほか)
著者等紹介
高橋源一郎[タカハシゲンイチロウ]
1951年1月1日、広島県生まれ。81年『さようならギャングたち』で第4回群像新人長編小説賞優秀作を受賞しデビュー。88年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞、2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
71
東日本大震災発生後、表現者はみな自分の能力の限界を知り苦しんだ。そのなかで発信することをやめなかった著者の行動は、新しいネットメディアの可能性を示すものであった。書き続けること、記録し続けること、それができる立場にある作家はやはり、それをするべきであった。著者にとってはやむにやまれぬ行動だったことがうかがえ、少し何か、力をいただいたような気がする。2018/05/04
空猫
40
【3.11】初読み作家サン。あの日からのツイつぶと、寄稿したエッセイのまとめ。「震災後と戦後の共通項」「先祖から預かるよりも子孫へ渡すことを考える」「生まれてきた人には全員幸せになる権利がある」「人間の科学技術には許された限界がある」それを忘れ、資本主義経済を優先してきた、これは…(-ω-。)。そして「自分の言葉で考え、答えを出す」事の大切さ、を改めて認識した。そして読みたい本がまた増えた。 2022/02/25
メタボン
36
☆☆☆★ 高橋源一郎にとっての2011年。エッセイ、論評、小説、つぶやき、ごった煮のような書。あまり推敲せずに書かれた「素の文章」が多いと思われる。それだけに震災、原発事故について、当時の生々しい衝動が伝わってくる。2023/04/14
Bartleby
14
高橋さんが3.11から翌年の元日までに書いた雑誌の連載やtwitter上での文章が収められている。その月に起こった出来事も書かれているので「あれってそんな時期のことだったっけ」、「そういえばあの頃こんなこと感じてたな」と忘れかけていたことを思いだしながら読んだ。あの日以降色々な言葉や言説に虚しさを感じてしまうことがあった。そんな時に高橋さんや本の中でも紹介されている鶴見さんの言葉は自分の中にすっと入ってきたのを覚えている。その時のことを忘れないようにしたいと、今回まとめて読んでみて改めて思った。2013/03/11
魂の叫び
13
図書館から借りました。東日本大震災関連の本棚にいれます。正しさって…考えますよね。これ読んでいない方、読んでほしい一冊です。詳しく書いちゃうと読む楽しみがなくなるから書きません。2016/03/05