内容説明
「戦国四君」のひとりと称されることになる春申君は、楚の宰相にまで登り詰める。説客、刺客の暗躍する乱世のなか、諸国との合従策・外交術を駆使して、野望をむき出しにする強国・秦と渡り合った悲劇の英雄の実像に迫る。構想十年、渾身の傑作長編小説。
著者等紹介
塚本青史[ツカモトセイシ]
1949年、倉敷市生まれ。同志社大学卒業。印刷会社勤務の傍らイラストレーターとしても活躍、’78&’81『年鑑日本のイラストレーション』に作品が掲載されている。’96年『霍去病』(河出書房新社)で小説デビュー。現在、塚本邦雄創刊歌誌『玲瓏』の発行人も兼務している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まえぞう
22
戦国の四君の最後、春申君の生涯です。秦の足音が迫るなかでの戦国各国の動きが淡々と語られます。同じ作者の「バシリウス」でも取り上げられる呂不韋と始皇帝の出自だけでなく、楚の幽王の秘密まで手を延ばしていますが、全体には抑揚感に欠けるようです。宮城谷さんが仰る通り、信陵君と春申君の最後は小説には向きませんね。2025/03/09
遊未
6
戦国四君最後の一人楚の春申君。秦が脅威であった時代から統一免れない時代まで。この時代の様々な人物の逸話が時系列でよくわかります。四君は無事に終われない立ち位置ですが、この方の場合は老いたのか恵まれた時代が長かったのか?軍事の才はなさそうですし、年長者の下に位置してこそ輝けたのか?忠告者がいたのに悲惨な最後です。次世代等親族の情報が無く殺されるだけなのが気になりました。2021/08/02
takehiro
1
春申君は楚の内政や外交で活躍したと思うのだが、いまいちそれが伝わってこない。。この時代に対する理解が足りないのかな。。。2011/10/01
oyasan
1
春秋戦国時代を楚の春申君を通じて、孟嘗君から始皇帝の初期時代まで一気に描く。宮城谷昌光さんの作品である程度頭にこの時代の歴史を入れてたはずだけど、人名と事象が一致しなかったり・・・。あぁ、こんなことがあったのかぁと思い出す次第。2011/03/02
ヒロ@わんこ
0
戦国四君の一人。 楚の春申君。 その功績は、戦国時代、最大の領地を有し、最大の兵力を有しながら、中原から遠い為、また政治体制の虚弱から、覇者荘王以降ジリ貧だった、楚を盛り返した事である。 大変なのが人物の多さ。 把握するのに、人苦労するでしょう。 特に、中国の名前なので、余計に大変かも 7カ国の主要人物総出演。 戦国後期だから、まあこんなものですね。 なかなかに読み応えありました。 ちなみに史記で司馬遷は、春申君の最期について「春申君老いたり」と記していますが、まさに2012/02/26