出版社内容情報
激動の平安末期を舞台に、保元の乱から“阿修羅”となって、戦乱の世を眺めてきた西行。平清盛、源頼朝らに出会い、諸行無常を思い、歌を詠む……。渾身の書き下ろし歴史小説。
内容説明
激動の平安末期を生きた僧侶・西行と平家・源氏たちの諸行無常。出家後の西行の歩んだ道を大胆な解釈と宗教観をおりまぜて展開する西行の生涯。渾身の書き下ろし。
著者等紹介
三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年、大阪生まれ。早稲田大学文学部卒業。1977年、『僕って何』を「文藝」に発表し、芥川賞受賞。以後、小説、評論、エッセイと幅広く活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
29
物語が弘川寺で病んでいる西行から始まるので、西行の内省的な面から話が進むのかと思ったらそうではなかった。タイトル通り「阿修羅」の西行だった。後白河の時代のめまぐるしさの中で勧進僧として生きるということはやや便利屋的な生き方をすることになってしまうのかもしれず…。西行の多芸多才なスーパーマンぶりに西行ファンの読者はニヤニヤしてしまった。2018/11/18
めにい
6
歌人としての西行はほとんど登場しない。著者のこの時代に対する想いを西行に託していると言えるだろう。だから西行の物語というよりは平安から鎌倉への時代の変わり目を描いている歴史ファンタジィだ。。2014/11/16
りー
4
待賢門院が亡くなった後の西行を軸に、平家物語や源平盛衰記の世界を書いた作品。保元の乱の少し前くらいから物語が始まります。いやー、西行がとにかくカッコ良すぎる!出家してなお武術の達人として登場し、頼朝や義経に武術の指南をしたり、流鏑馬で若い者の度肝を抜いたり。「歴史小説というよりファンタジー」と作者も後書きで書いていますが、良いのです。こんな西行、読みたかった。同じ作者の「西行 月に恋する」も是非読みたいです。また読みたい本が増えてしまった!2018/06/30
kazu4
3
三田誠広氏の西行本、2冊目。 西行の人生、濃すぎです。なるほど、人気のある歴史上の人物です。後白河院は、凄すぎです。 三田氏の歴史物、これからも読んでいこう。歳を重ねていくと、書き手も読み手も、歴史物に入っていくのは、必定なのかな? 2021/06/09
スエ
3
うーむ、もっと歌人としての側面を出してほしかったなぁ。全体的に中途半端で尻切れとんぼな感じ。2016/05/07