内容説明
巨大な工場が建ち並ぶ川崎の臨海工業地帯に、約一〇〇匹もの野良猫が暮らす人工島がある。宮城将子さんとご主人の良教さんは、そんな「工場猫」たちの命を支え、「地域猫」としての共存を目指す活動を続けている。「これ以上、不幸な猫を増やさないために」という想いのもと奮闘する宮城さん夫妻と猫たちの、こころあたたまる愛情物語。
目次
一〇〇匹の野良猫が暮らす人工島
野良猫支援のはじまり
さよなら、さばたん
雨の日の捨て猫
釣り針が刺さったすえ黒
野良猫が招いた悲しい事件
野良猫捕獲大作戦
地域猫は一代かぎり
さみしい里親会
季節はめぐり
著者等紹介
三島正[ミシマタダシ]
写真家。1964年、東京生まれ。週刊誌の写真記者を経てフリーランスに。写真集『公僕』(メディアファクトリー)で、第7回講談社週刊現代ドキュメント写真大賞「人物フォトルポルタージュ部門賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっちゃん
25
愛猫のワクチンを打ちに行った動物病院で読んだ。川崎にこんな「猫島」のようなところがあるなんて知らなかった。当たり前だけど、動物を飼うときは、責任を持って最後まで面倒見ないと!2016/11/16
B.W.
18
昔,家に寄りついていた猫がいました。父の都合で引っ越しすることになり,引っ越し後の世話について頭を悩ませていましたが,引っ越し間近になるとその猫はまったく家によりつかなくなり,あ~きっと状況を察して寄りつかなくなったんだ,動物って空気読むっていうからなって納得していましたが,本作により考えをあらためさせられました。なんとも都合よく結論づけていた。空気を読んだのではなく,これなくなった事情が必ずあったはず。もっとちゃんと探せばよかった。そのことを思い出し涙....後悔。本当に申し訳ない。2011/03/22
やよい
11
ドキュメント写真。地域猫と言うスタイルが耳に入る様になって数年。動物を愛しく思う気持ちがある人は多いだろう。でも責任を持ちながら接して逃げない人に脱帽する。我が家にも息子が拾ってきた猫がいる。まだ小さかったので赤ちゃんと同じに3時間毎にミルクを与えて育ちました。孫みたいなもので可愛い。私は全ての猫に責任はとれない。それがいつも後ろめたいけれど、我が家の2匹は看取る。猫が家に来てくれて気づけたことや良いことがたくさんあって感謝しています。動物が好きな人苦手な人色々な意見があると思う、捨てられる動物が少しでも2014/12/25
Yoshie S
10
決して美談ではないし、お涙頂戴でもない。野良猫ちゃんたちの厳しい現実。 何もできないけれど、中途半端に手出しするほうがよくないことも…。 うちのにゃんこも拾いっこなのでつい感情移入してしまう。2014/07/20
神城冥†
7
フリーランスの写真記者の著者が、巨大な工場が建ち並ぶ臨海工業地帯にある人工島に暮らす約100匹の野良猫とそれを支えて「地域猫」としての共存を目指す活動をしている宮城さん夫妻の心温まる姿を追ったフォトルポルタージュ。ページ数が少なく、猫達の写真が満載なので、すぐに読み終わりました。宮城さん夫妻は野良猫たちに餌を与え、これ以上不幸な猫を増やさないように不妊・去勢手術をし、 病気の猫がいれば、動物病院に連れていく…。凄いなぁ。同じ猫好きだけどそこまではできないや…私。人工島に猫を捨てる人には捨てるなら飼うなと言2010/05/09
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