時代の声、史料の声

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309019062
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

ボクシングにのめりこんで取材した日々から、東京の戦前、戦中、そして戦後のさまざまな記録。小説とノンフィクションの関係を語りながら、たしかな体験を記述し続けた作家の、貴重な時代の証言集。

目次

ボクシングに酔い、時代に出会った―with沢木耕太郎
事実と虚構の間―with久保田正文
小説とノンフィクションの間―with和多田進
弟の癌を自らの痛みとして―with加賀乙彦
「東京の戦争」を語り継ごう―with半藤一利
「記憶にある恐怖」篇―with吉行淳之介
正月の気分―with色川武大
東京・いまとむかし―with森まゆみ
語りつぐべきもの―with城山三郎
五十年たって見えてきた戦後―with饗庭孝男

著者等紹介

吉村昭[ヨシムラアキラ]
1927年、東京生まれ。小説家。東京開成中学を肺結核のため休学。卒業後、長兄の会社で働いた後、終戦後に学習院大学中退。在学中に同人誌『学習院文芸』(後に『赤絵』)を創刊。1958年、短編集『青い骨』を刊行。『星への旅』(太宰治賞)、『深海の使者』(文藝春秋読者賞)、『ふぉん・しいほるとの娘』(吉川英治文学賞)、『冷い夏、熱い夏』(毎日芸術賞)、『破獄』(讀賣文学賞・芸術選奨文部大臣賞)、『天狗争乱』(大佛次郎賞)。他に菊池寛賞、日本芸術院賞も受賞。歴史文学、記録文学の第一人者であった。2006年、膵臓癌で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mondo

38
吉村昭と縁のある作家たちとの対談集。吉村昭は作家との交友関係をほとんど持たないことは、エッセイなどでも知られている。この対談では小説の時代背景や作風スタイル、地域性、生い立ちなどから9人の作家が登場して、吉村昭の魅力や個性を引き出している。半藤一利との対談では、東京の初空襲を体験した際にドゥリットル爆撃機の操縦士のマフラーの見えた、見えないのやり取りは笑える。城山三郎とは昭和2年生まれの同世代ということもあって、気が合うところが微笑ましい。谷中育ちの森まゆみとは、上野戦争のエピソードが興味深い。2022/01/03

金吾

33
○吉村さんと他の作家との対談集です。吉村さんの人柄、物の考え方が伝わり面白かったです。沢木さん、加賀さん、半藤さん、吉行さん、森さん、城山さんとの対談が良かったです。2023/08/04

nonpono

9
沢木耕太郎と吉村昭のボクシングについて対談が読みたくて、選んだ一冊。吉行淳之介や色川武大と好きな作家も収録されていて嬉しい。ボクシングを書くということ、ノンフィクションとは?、戦前、戦中、戦後の東京の情景、不治の病だった結核という病など、今となっては、歴史の生き証人達が語る対談集。思うが、今より雑誌や活字がずっと生まれていた時代は、対談もゆっくり語り合りあい、豪華な気がする。楽しめました。2023/05/14

ポン

8
『ボクシングに酔い、時代に出会った』沢木耕太郎さんと吉村昭さんのボクシングをテーマにした対談。この頃は、沢木さんもボクシングを題材に小説を書くことになるとは、思ってなかったんではないでしょうか。『一瞬の夏』の続きが読めることを楽しみにしてます。2017/06/22

Bob

6
エッセイを読むと著者の人柄を垣間見ることができるが、対談集の方がより本音が出て著者の素顔が見える気がする。面白かったのは城山三郎、半藤一利などの同世代との対談だ。また、作品を作るプロセスと苦労も良くわかる。「囚人の呼気で獄房の壁が凍って光っていた」なんて読むと獄中生活の辛さが痛いほど想像できる。こんな表現は取材で手を抜いては書けないということがわかる。春日部の養豚業者に成りすますなどなかなかのユーモアのセンスだ。電柱を抜く話も当時の雰囲気がわかっていい。2022/01/08

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