内容説明
目的地も制限時間もない。ただ、速くなければ駄目なのだ。自転車(ビアンキ)で北へ!話題の青春小説。
著者等紹介
羽田圭介[ハダケイスケ]
1985年生まれ。2003年、高校在学中に、「黒冷水」で第40回文藝賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
91
余計なものは何もない、シンプルさを感じました。あるときから自転車でただひた走る。授業を休み、孤独な疾走が続きます。自然を見つめるわけでもなく、自分の人生や未来を考えることもなく、ひたすら自転車をこぎ続けているのです。向き合うのは自分の筋肉のみというのが何だかリアルでした。そして走る姿に臨場感を感じます。でも、そこにあるのは日常からの離脱。そして何食わぬ顔で日常に戻っていくのですね。人はふと突然何も考えず、無意味な行動に出たくなる衝動に駆られるのかと思わずにはいられませんでした。2015/10/29
mmts(マミタス)
81
高校生目線だし、この作家さんは多分、こんな風に携帯を使った青春時代だと思いますが、この主人公が一番自分勝手じゃないでしょうか。彼女が居るくせに、ちょっとした幼馴染?にメロメロになっている感じですし。しかし、彼女と仲良くしている男友達には嫉妬しているし、あまりに自分勝手だと思いました。ある意味、典型的な高校生かもしれませんが、ちょっとした中途半端な性的な描写にはガッカリしました。幼馴染に彼氏が居ると分かれば、あっと言う間に強引に彼女に会いたがるし。わざとチャラチャラした文体だと思いたいですが。辛口、失敬。2015/03/19
サトシ@朝練ファイト
42
読んでる最中にいろいろ思い出した。高2の夏休みに静岡まで自転車で家出した同級生、焼津までの往復400kmを日帰りで走破したI君、主人公にそっくりなのがN根君かな。マラソンの経験者はロードでも速いんだろうな。2015/09/26
きいろ
31
よくわかんないなー。なんで行くつもりもないのに約束するのか?なんで彼女には言わないのに、他の子には言うのか?なんでパンツ履かないのか?陸上やってたからって何日も自転車で走り続けられるものなのか?疑問符いっぱい。途中で終わったけど、彼女と会ってどうすんのかな?学校も家も友達も。どうすんのかな。2017/09/01
メルト
30
ロードバイクで学校へと行くつもりが、学校をサボり東京から青森まで走る少年の物語。純文学作品ですが、くせのない文体でさらさらと読むことができました。少年が走っているシーンばかり続くのですが、その中で気になったのが、何度も立ち止まっては友人や彼女と連絡を取るシーンでした。今は誰とでも簡単に連絡が取れるから、見知らぬ人とも繋がりやすいと言われているけど、それは少し違って、どんなところに居ようと関わる人はそれほど変わらないのだと思いました。だから、そのような人間関係を大切にしていきたいな、と思いました。2017/09/30