内容説明
戦国動乱の運命に翻弄されつつも、美しく気高く生きたお市の方。織田信長の妹として、浅井長政の妻として、柴田勝家の女として、波瀾万丈の生涯を描く壮大な書き下ろし歴史ロマン。
著者等紹介
鈴木輝一郎[スズキキイチロウ]
1960年岐阜県生まれ。日本大学経済学部卒業。91年『情断!』でデビュー。94年「めんどうみてあげるね」で第四七回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ophiuchi
10
お市の方以外の主な登場人物は、織田信長、柴田勝家、浅井長政、羽柴秀吉などよく知られた人物ばかりだが、独自のキャラクター設定で戦国時代の恋愛を描く類例のない歴史小説となっている。この流れで茶々の話も読んでみたい。2015/11/05
橘 由芽
8
浅井長政も柴田勝家も実に魅力的な男である。こんな男性たちに愛されたお市。現在放送中の大河ドラマ「どうする家康」では北川景子が市を演じていた。実際こういうレベルの美しい人だったのだろう。戦国の世で辛いことも多かったろうが、美しく生まれよき男性に愛された市は女性としては素晴らしく恵まれたのではないか。2023/03/20
Gen Kato
3
お市の方の人間像がとにかく新鮮。柴田勝家、浅井長政、木下藤吉郎、茶々等、錚々たる登場人物たちにもきっちり「言いたいこと」を語らせていて小気味いいです。名台詞多し。その生涯に愛した二人の男が二人ともにいい男だった、というのもいいなあ。まあ、アニキが信長だし…2013/10/23
こまったまこ
3
なかなか斬新なお市でした。浅井に嫁ぐ前に柴田勝家の妻だったとは。二人の純愛は良かったです。女性の側から見た戦国の世というのが珍しく興味深いです。お市から見た信長がやんちゃ坊主のようで可笑しかった。2012/09/02
Waka
2
愛読書。理想の男性が柴田勝家になったのは、高校時代にこの小説を読んでから。 ところどころ誤植があるものの(駿府時代の築山殿が「築山御前」と表記されたり、前日に折ったのは鶴なのに猿と書かれたり、最後の最後で初と小江が逆に書かれたり)、そんな事はどうでもいい、勝家が良い男。これを読んだら、それは、もともと好印象でなかった秀吉が嫌いになるわ……。 茶々の造形がおもしろい。とても良いキャラ。通常、小説での秀吉と茶々の関係は、秀吉からの関心や恋慕として始まるかと思うが、そうでない設定もおもしろい。2019/06/11