著者等紹介
明川哲也[アキカワテツヤ]
1962年6月17日生まれ。大学卒業後、フリーライター、放送作家などを経た後、ドリアン助川の名で「叫ぶ詩人の会」を結成(1999年に解散)。バンド活動のかたわら、ラジオの深夜番組では十代の少年少女の相談を受ける。その後、ニューヨークに3年間在住。2003年から明川哲也の名で小説を中心とした創作活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
87
SF、ファンタジー風の中編3つを収録。ブラッドベリ風「オーロラマシーンに乗っては」は、9千メートルの高さがあるジェットコースターを作ろうする男の話。不幸な生い立ちの主人公の願いが切ない。私の一番の好みは「草っ子と蜘蛛」で、こちらは宮沢賢治の童話と共通するものを感じた。平凡な草が主人公。どんな生き物も業を背負うこと無しには生きられないことを、透明感のある美しい文体で表現しており、胸に迫る内容を持っていた。2014/07/27
ころりんぱ
44
児童書のような趣きのある三編。難しい言葉もなく一文一文が短かいのでサラッと読むこともできるはずだったが…自分の深い所とそろっと撫でられチクッと刺されるような気がして、どれも立ち止まりながら読んだ。ここで何がどうだった!と書くのは自分の生い立ちから今までの、つまずきや失敗、無かったことにしたい事、つまり汚点的なものまで語らねばならなくなりそうなので省略(笑)心っていう扱いにくくて不思議なもの抱えてるんだから大変で当たり前。自分の人生、かっこ悪くても思い描く通りにできなくても、いいのかなって。2014/04/09
TANGO
29
図書館本。読友さんの感想に引かれて読んでみた。こどもに読み聞かせ出来そうな易しい話、かと思いきや、生きることの厳しさや切なさが組みこまれていて、読んだあと深く息をついた。「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼの丘」がおだやかで、春におすすめの1編。2014/04/24
フリスビー
20
とてつもない空想力を持つヨキ氏。それは満たされなかった現実の裏返しだったのかも。ヨキ氏が「ばばばーんの遊園地」と名付けた意味が解ったときそう思いました。「草っ子と蜘蛛」、草も蜘蛛も、生きていることからは逃れられない。そのことが残酷でもあり、また美しかったです。草っ子の目線で物事を考えられる作者のやさしさ・厳しさには涙が出そう。「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼの丘」、果てしない未来のようで、限りなく近いお話。3編とも、見えているようで見えていない情景を見せてくれた作品でした。2014/04/02
おこた♪
3
ドリアン助川さんは、一時期深夜番組で若い子の相談に乗ってたとかで話題になっていましたが…なんだか、物語と言うよりも凄く長い詩を読んでいるような感じになりました。詩だと思って読んでいるから長すぎて辛かった。示さんとしていることは、何となくわかる気もするのだけど、結局は何が言いたかったん?ってなりました。私には合わなかった2013/07/11