内容説明
「お姉ちゃん、これ浴びたら不死身になることにしよっか?」馬鹿の家に生まれたおれと姉の、かすけた血の物語。新・芥川賞作家の最高傑作!芥川賞候補作「無花果カレーライス」他収録。
著者等紹介
伊藤たかみ[イトウタカミ]
1971年、兵庫県生まれ。1995年、早稲田大学在学中に『助手席にて、グルグル・ダンスを踊って』で第32回文藝賞、2000年『ミカ!』で第49回小学館児童出版文化賞、2006年『ぎぶそん』で第21回坪田譲治文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
84
3編からなる短編集で、表題作は作者さんらしい作風で楽しませてもらいましたが、正直他の2作はう~んという感じでした。静かなテンポかつ時折みせてくれるシリアスな文章が好みなのですが、今作は正直メリハリがあまり感じられず、単調なテンポに少し飽きがきてしまったかなと。なんとなくですが、キレイにまとめようとしすぎて、逆にキレあじがうすくなった仕上がりにも感じました。どんな作品にも何らかの‘救い’みたいなものを感じさせ、そのかすかな希望に惹きつけられるのですが、今回はひたすら低調なトーンで幕を降ろしてしまったかも。2016/02/08
アマニョッキ
41
伊藤たかみさん2冊目。タイトルと表紙の吸引力。今もうドライブインって言わないよね。そういえばスピード100キロ越えたときの警告音も鳴らなくなった。いつから変わっちゃったのかな。家族で高速乗ってるときに「ピンコーン、ピンコーン」いいはじめたら「ちょっとおとうさーん!!」ってみんなで言うの好きだったのになー。あれ?なんの話だ。2018/11/15
巨峰
29
小さな家族の小さな小説3篇。血の繋がりという小宇宙の中では、配偶者も別宇宙の人扱い。それぞれの小説に真実を感じるけど、明確な感想を残せない。他所の家族を覗き見した感じがしないでもないけど。それにしても伊藤たかみという人は僕にとっては謎だ。どーいう人なんだろう、何作読んでも像を結ばない。2013/12/07
ち~
21
夫との折り合いが悪く実家に戻っていた妊娠中の姉を、夫の元に送り届ける弟。子供の頃、精神を病んで別れた母が連絡を取りたがっていると聞かされ、当時の記憶を辿る息子。死の床にある、他の家とは違う奇妙な父と兄妹。3編とも、家族を描かれているにもかかわらず、愛情も温かさも全く感じさせない、暗い話だった。2016/01/02
coco夏ko10角
21
3つのお話収録の短編集。映画化ということで手に(上映館数少ないので観には行けないが)。色んな家族の不幸の浸り方…って感じなのかな。正直どれもあまりぴんとこなかった。2014/06/25