内容説明
しっかりと背筋を伸ばして生きていきたい。たとえ酒におぼれても、品性を大切に生きていきたい。そんなあなたに贈る、山口瞳流体験的人生読本。
目次
1章 私の人生(私のライフスタイル;私の初月給 ほか)
2章 こだわりの(打てば響く、味のよさ;いい酒場とは ほか)
3章 生活のなかの美学(素気無い美しさということ;人工的な美しさということ ほか)
4章 旅にしあれば(里は根びきの別世界;スケッチ旅行 ほか)
5章 ラストワン(上座と下座;盗人猛々しい ほか)
著者等紹介
山口瞳[ヤマグチヒトミ]
1926年、東京生まれ。小説家。寿屋(現・サントリー)で広告制作にたずさわり、後に作家生活に入る。1963年、「江分利満氏の優雅な生活」で直木賞受賞。1979年、「血族」により菊池寛賞受賞。『週刊新潮』の1963年12月2日号より始まった連載「男性自身」は1995年8月31日号まで31年9ヶ月、休載なく1614回続いた。1995年逝去
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感想・レビュー
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Ryoichi Ito
2
没後九年の出版。高尾山に探鳥に出かけたところ,「私たちのほかは幼稚園児ばかりだった」(1978年)。今昔の感。2016/03/26
ゆりこ
1
本の帯、昔は「コシマキ」と呼んでいたそうです。コシマキを取る派か?取らぬほう派か?山口さんは取らない派で、それはコシマキにも製作者がいると思うと、ひっぺがす事はできないからだそうです。日常の他愛ないこと、文学のこと、お酒のこと、山口さんの流儀・・と言うほど暑苦しくもない、山口さんの感じ方が素敵です。2011/09/08
ねこつり
1
未来を知る楽しみと、過去を知る楽しみは対等だと思います。「中村メイコさんのお顔の輪郭そっくりのアイスクリーム・スプーン」(『父の詫び状』)には破顔一笑。山口さんは向田さんをとても哀惜していたことが偲ばれました。* 2010/07/24
椎茸どんこ
0
トリスを飲んでHawaiiへ行こう、を生み出すために机の下にもぐり、暗室に閉じこもり、なんて寿屋の黄金時代かもしれない。(私はその時代はまだ生きていなかったけど。)今だったらジェンダーハラスメントになりそうな表現もあるけれど、当時の考え方はこうだったのだろう。「吝嗇」とか「彫琢」とか難しい表現の勉強になったな、なんて変な感想をもちました。2022/12/23