内容説明
深い知識と鋭い批評精神で戦後の論壇に衝撃を呼んだ政治思想史研究者の軌跡。
目次
はじめに―「無血革命」という言葉
戦争そして被爆体験
日本の軍隊の前近代性
「国体」イデオロギーと主権在民
「民主革命」という仮構(フィクション)
八・一五は敗戦の日
“戦後精神”としての「民主憲法」
丸山さんをめぐる若干の思い出
ネーションの独立と「平和憲法」問題
佐久間象山論あるいはナショナリズムの論理〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
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「昭和二十年八月十五日、日本に無血革命があった。―この壮大な仮構(フィクション)こそ、その本質において政治思想史学者だった丸山眞男をして、あたかも『戦後最大の思想家』とでもいうようなアウラを獲得せしめたゆえんのものであった。」という冒頭が核心。筆者は、吉本隆明の丸山論の鋭さを本書は「戦争体験」という切口から丸山を考察した点に求めるけれど―橋川文三も同様に考えていた「丸山眞男批判の新展開」―私も、この「戦争体験」、畢竟、「八月十五日をどう捉えたか」という視点は、戦後の思想家達を考える上で重要であると思う。2012/06/30
goldius
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丸山真男「大日本帝国の"実在"より、戦後民主主義の"虚妄"に賭ける」2007/02/14