内容説明
あやしいもののけが出る化物宿屋。鳥の声や川の流れで運勢を読むという調子聞。江戸を舞台にますます冴える傑作小説集。
著者等紹介
海野弘[ウンノヒロシ]
1939年、東京に生まれる。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、評論活動に入る。『江戸ふしぎ草子』で第三回斎藤緑雨賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 (犬塚)裕道
7
星3.5。短編というより小話といった方良いくらい短い話を纏めたもの。面白いんだけど言葉遣いが現代風過ぎて少々違和感があった。まあ誰でも取っ付き易いと言えばそうだし読むのも楽だろう。色々面白い逸話があったが私は象の話が好きだった。2017/11/24
本夜見
7
怪談かな〜、と思って手に取ったが 妖かし成分は少なめ。義理・人情話がメインっぽい。ちょっと不思議成分入り心温まるお話。短編集なのでサクサク読めて こういうの好みだな。2013/08/02
うさこ@タッタカタ
4
図書館。花椿連載の短編集、なるほどショートショート。自分の本当は何か、向き合え-かな、海野初読み。2013/12/10
水無月
2
江戸の逸話を元にした創作短編23話。タイトルからてっきり狐とか幽霊とかのお話かと思ったら、ちょっとした不思議な出来事から始まる人情話が主だった。やりきれない切なさを誘う話もあるけれど、大半は誰かを庇うために自分の物を手放したり、友を思ってつく嘘だったり、どうしようもない連れ合いを許したり、苦笑しながらしょうがないなぁと溢す、そんなお話が心に沁みて、何だか暖かい気持ち。期待してた内容とは違うが、これはこれで良かった。2021/01/01
yonemy
1
江戸時代の人々が楽しんだであろう絵草子を現代に読むと、昔話のようだが真理を突いている。時代は変わっても、正直で真面目で人がいい日本人の本質はそう変わらないのかなあ、それは私くらいの時代までの話なのかなあ、と。「夫婦合せ」の尼僧の粋な計らいに、こんな発想はなかったと驚嘆する。江戸で暮らす人々の生活が垣間見られて、勉強にもなった。 2022/04/12