内容説明
あの世とこの世はどこでつながっているんだろう。日常の感覚に哲学的リアルをさぐる恐るべき物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃんころ
3
この世とあの世の境界線はどこにあるのだろう?命にならなかった命の素―。どう読んでも理解できなくて、結局最後までわからずじまいでした。水子の問題もうやむやだし、失踪した両親や姉や友達はどうなったの?解決しなければならないことがすべて放り投げられたままです。何が言いたかったのかわからない話でした。タイトルの『緑ノ鳥』の正体は一体…。2015/11/23
じゅん
0
★★★☆☆デビュー作『フレア』がとんでもない作品だったので、この作家はすごいと思って三島賞候補作の本作を手に取ったものの、お世辞にもよくできた作品とは言えなかった。たぶんだけど、これは筋に大きな道が感じられないことが原因にある。というのは、筆者最大の特徴は「主人公と世界のずれ」にあると思うからだ。つまり『フレア』のようなわかりやすい筋のなかでなら、主人公と周囲のギャップは大きなものとして映るのだけど、本作のような横道に逸れる筋立てでは、「ずれ」があまり感じられない。それがそのまま長所を弱めている気がした。2017/01/03