内容説明
行方不明になった王子を追って、ピエロと名のる3人の少年がやって来た。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
恋愛爆弾
17
「二人のあいだは、にわかに泡立つだろう。」(千葉雅也「独身者のソォダ水」)を構成する「二人の」、「あいだは」、「にわかに」、「泡立つ」、「だろう」がこんなにも克明に書かれているとなると、何周かまわって孤独ですらある、その独身を生きるのだ、私は。2023/03/25
凪織
14
長野さんというと、なんとなく和風のイメージが強いので、表紙からしていつもと違った雰囲気を感じた(一応『新世界』や『カルトローレ』などは読了済みだけど)。序盤の市街にあふれる菫色、少年に巻きつく蔦の青、終盤を包みこむ雪の白が鮮やか。本筋の物語と挟まれたTopic newsが絡み合い、徐々に全貌が見えてくるさまは気持ちがよい。長野作品の中では謎も人間関係もわかりやすいほうなのではないか。ああだろうか、こうだろうかと物語の余韻をひねるのも楽しいが、すっきりと飲みこめる物語もまた面白い。2016/01/02
碧月
13
洋書みたいなお洒落な表紙が印象的。SFっぽい特殊な設定になかなか入り込めなかったのだけど、同じ顔した美少年のピエロたちが、わちゃわちゃと言い合いをしているのが面白い。そして後半カイト兄さんが出てきてからの急展開に驚いた。体から植物とか、舟とか、『カルトローレ』とも関係しているのかな。2013/09/01
ゆゆゆ
10
土壌のかわりに身体を使って植物を栽培するという発想がまずないので、著者独自の発想に感服です。ピエロαと王子の描写がすごく美しくてよかった。珍しくハッピーエンドの明るいお話で新鮮でした。2013/07/25
ちょび
8
αと王子のお互いに想い合っている関係が素敵。スワンとカイトがどういう経緯で一緒に住むようになったのかとかも知りたかった。2013/04/09