内容説明
中国・戦国時代、秦の常勝将軍・白起はなぜ大量虐殺者として歴史に悪名を残したのか…。乱世を一筋に駆けぬけた剛直な武将の悲運の生涯を、権謀術策渦まく赤裸々な人間模様のなかに鮮烈雄渾に織りあげた、大河歴史ロマンの精華。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊
20
国同士の関係や人の動きが流動的でややこしい戦国時代の全体像を描こうとし過ぎて、肝心の白起のキャラクターが薄くなってるように思う。白起の独特の人格が母親が語って聞かせた神話だけで形作られたというのも少し物足りない。故事成語が作中自然に出てくるのは良かった。2015/04/26
星落秋風五丈原
7
登場人物の描き方がちょっと淡白な気もしますが,中国の戦国時代のルールに反する虐殺が行われるに至った動機づけなどはとても興味深い。中国・戦国時代、秦の常勝将軍・白起はなぜ大量虐殺者として歴史に悪名を残したのか…。乱世を一筋に駆けぬけた剛直な武将の悲運の生涯を、権謀術策渦まく赤裸々な人間模様のなかに鮮烈雄渾に織りあげた、大河歴史ロマン。2006/12/09
明智紫苑
6
私が初めて読んだ塚本氏の本を再読。宮城谷ヒーローたちの基本が「君子」ならば、塚本ヒーローたちの基本は「非情」なんだな。これはこないだ読んだ宮城谷氏の『楽毅』よりもずっと話の密度が濃いが、あちらもこちらみたいに一冊に収まるようにした方が完成度が高くなったかもしれないね。2018/06/27
Tsuyoshi Yoshida
3
戦国時代最大の合戦「長平の戦い」(秦3~6万vs趙40万)の秦側の総大将、白起の物語。白起は趙の大軍を巧みな謀略と作戦で破ったのだが、捕虜となった趙兵40万人を少年兵240人を除いて全て生き埋めにしたという決断を下す。だが戦後、嫉妬や讒言により、自殺を余儀なくされる。「史記」では「趙卒降者数十万人、我詐而盡阬之。是足以死」と大量虐殺を悔やんだとも解釈できる部分があり、この台詞で彼は救われたと私は思うのだが、この本には、それに相当する台詞がないのが残念。また、同時代の著名人をやたらと登場させるのは、くどい。
ス
1
最後の50ページは面白かったです。が、残りの400ページは白起に関係の無い部分が多く、逸話を詰め込みすぎている印象を受けました。最後の50ページは面白かったです。2013/06/11