内容説明
21世紀に向け、稲垣足穂のノスタルジックな未来性の本質を、イタリア未来派と対比しつつ初めて解き明かした、24歳新人の画期的デビュー作。
目次
序章 足穂の「二十世紀的哀愁」
第1章 イタリア未来派
第2章 日本における未来派
第3章 足穂と未来派
第4章 足穂の作品の構成―三つのテーマへのアプローチ
第5章 足穂の模型世界
結語 イデア、モノ、そして模型
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wang
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稲垣足穂の文学をイタリア未来派の運動と関連づけて論じた修士論文。かねて消化不良だった、活動写真は好きだが映画とは嫌い。ヒコーキ好きだがジャンボジェット機は認めていない姿勢を整理してくれている。影響はされたが独自に発展させ日本の未来派とも一線を画すそれは、模型としてもモノへの傾倒があったのか。純粋に飛ぶという目的が手段となってしまっては台無し。さらに本当に飛ばなくてもよい思想に納得。天体・飛行機・映画・少年愛などが一つの思想の中に収まって理解できるのは考えも及ばなかった。ボール紙の空にあけた穴の星。2015/07/27
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