内容説明
ベストセラー『アブサン物語』の感動をもう一度!愛猫アブサンの死から一年、著者の胸に去来するさまざまな想いを哀切に綴る表題作他、猫が登場する傑作五篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
清少納言
6
冒頭しばらく「アブサン物語」で読んだことと、内容がかぶり、このままの調子なら、読むのをやめようかと思っていた。しかし段々、随筆の世界から小説の世界へと誘われて一気に読了した。「自分」「妻の秋子」「飼い猫」「袖萩」が、短篇小説ごとに、全くの別物になっている様は、この本の趣旨を理解してからは、なんとも心地よかった。「猫が木曾の山中で2~3年修行をして、グレードを上げて帰ってくる」ことに思いを馳せた作者の浪漫が、詰まっていた。ブックカバーを外し、改めて表紙を見ると、イラストの猫のにゃんとも可愛らしいこと。2014/01/08
Maki Uechi
2
★★★☆☆2016/11/17
波平
2
エッセイや日記の感覚で読んでしまったので、小説だと気がつくまで、やや混乱した。短編集だとわかってからは、“事実”と“虚構”の行き交いを楽しめたと思う。でもやっぱり、「帰ってきたアブサン」が一番好きだ。●妻はたしかめるように私の目をのぞき込んでいる。私は、小さくうなずいた。私たちは、たったいまたしかに同じものを見たのだった。2013/10/14
wasabi
1
著者はよほどアブサンを愛していて、その死をひきずっているようだ。アブサンの飼い主として、アブサンにみっともない親バカぶりを示しちゃいけない、そんな思いが強烈に伝わってくる。ご本人はそう悟られたくはないようで、やはり自分の思いを伝えたいようで、その葛藤の中に生きていらっしゃる。2009/05/22
座敷ワラジ
0
元となるアブサン物語を読んでいなかったので、エッセイなのか小説なのかよく分かってなくて、ようやく途中で短編小説だと気付きました(笑)2016/01/15