残雪(ツァンシュエ)―夜の語り手

残雪(ツァンシュエ)―夜の語り手

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  • サイズ B6判/ページ数 130p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309010304
  • NDC分類 920.28
  • Cコード C0095

内容説明

難解といわれる残雪文学を読み解く鍵は何か。世界の新しい文学の波の最先端をゆく、中国の女流作家、残雪の「不思議世界」を作品にそって解読し、文学手法と彼女の生れ育った状況をふくめて、その暗闇の秘密にせまる画期的作家、作品論集。

目次

残雪―夜の語り手 「曠野の中」を読む
わからないこと 残雪『黄泥街』試論
賊のいる風景 『蒼老たる浮雲』あとがき
精読「山の上の小屋」
夜の涯の家 「帰り道」を読む

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

40
現代中国文学の女流作家、残雪の日本語訳者のあとがきや論考や残雪との対談などを集めたごく薄い本。カフカやシュールレアリズムを連想させる世界を描く作家の特異性を語る。敷居が高そうだと勝手に想像してこの本を借りたが、ぜひ作品を読むべきだと思い直す。2016/06/06

三柴ゆよし

19
残雪の「わからなさ」を「わかる」ように読み解くのではなく、その「わからなさ」に極限まで密着し、なぜ「わからない」のか、そして「わからなさ」がなぜ文学に昇華されるのかを論じた名著。下手くそな中国語を操る身としては、残雪だけでなく、自分がこれまで感じてきた漢語表現そのものがはらむ曖昧性をも再認識させられた。評論のみならず、対訳付きの作品解読や著者と残雪本人との短い対談も収録されており、至れり尽くせり。残雪の異様さに一度でも触れたことのある人、またこれから触れようとしている人には、是非一読を薦めたい名著である。2016/03/13

misui

8
残雪訳者による論集。普通言う意味では継起的な筋を持たない残雪の作品を支配する「わからなさ」を主軸に、作品の読解と作者背景をまじえて論じる。夢の世界を思わせる残雪の作品では物事が背景を持たず前景的で、すべては互いに食い合い渾然一体となって読者の前に投げ出される。わけられない/わからないというありかたが、内容や意味ではなく経験それ自体となって提示される様はなるほど夢に似ている、といまだ未読の自分にも面白かった。2015/07/09

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