内容説明
渋沢龍彦没後八年、完結した全集の編集委員の一人として、旧制高校以来の親友・喧嘩仲間・深刻なライバルの著者にして初めて語れる渋谷龍彦の実像。ほかに、安吾、谷崎、三島など、仏文学者の著者が〈親愛の情〉かたむけた作家論を併録。
目次
安吾と飲む白ワイン―東京文化私観
坂口安吾―戦後をひとりの修羅として
「堕落論」から半世紀
木下杢太郎と隈田川
鏡花の美女たち
鏡花と潤一郎
ナオミから颯子へ―谷崎文学の女たち
永井荷風・パリへの片恋
太宰治と東京〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
保山ひャン
2
サブタイトルには「澁澤龍彦のいる風景」とあるが、前半は坂口安吾、木下杢太郎、泉鏡花、谷崎潤一郎、永井荷風、太宰治、三島由紀夫、大岡昌平についてのエッセイになっている。後半は澁澤龍彦の葬儀での弔詞にはじまり、澁澤死後に発表された澁澤関連のエッセイを中心に収められている。(唯一、『胡桃の中の世界』の書評だけが1974年の発表。澁澤は1987年8月5日に亡くなっている)澁澤龍彦は病床で玉蟲三郎光輝という主人公が活躍する伝奇大ロマンを構想していたという。読みたい!出口裕弘も2015年8月2日に亡くなっている。2024/01/07