内容説明
死よりも甘い快楽(トリップ)、愛よりも残酷な涅槃(ニルヴァーナ)へ―。究極のドラッグ=SATORIをのむとき、脳内にひびく老師(グル)の教え。90年代をふるわせる芥川賞候補作家の不敵な挑発。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蘭奢待
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藤沢周の作品を初めて読んだが、読売の硬めな書評欄と、勝手な周平のイメージから、渋めの作風だと思い込んでいた。想定外のエログロ、ぶっ飛びジャンキーの大洪水で溺れそう。2017/01/23
いのふみ
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これは飛んでいるのか、奇怪な悟りの世界なのか、悪夢なのか?(恐らく悟りへのシミュレーションなのだろう。)キレキレで、キメキメ。禅仏教×ドラッグ+カルト=「SATORI」。ぐらい書こうと思っていたら、「ナンブ式」「マイナス天国」でいきなり形而下に落ちたような雰囲気に面食らった。だが、作風が違うからこそ結構楽しめた。2014/08/05
おとしん
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ブックレビューの司会で見せる論理的で上品な物言いとのギャップに圧倒されてしまった。僕が小説の中に探したい世界とはかけ離れているけど、この世界は確実に僕の中にもあることは確かだ。しかし、読後の思いを言葉にできないのは、やっぱり全然理解できなかったのかもしれない。2010/01/31
eazy
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「SATORI」「ナンブ式」「マイナス天国」の3編を収録した短編集だ。 「マイナス天国」が抜きんでている。 おのれの血のこびりついたジャックナイフを握り締め、あの世と現世との境界線をほっつき歩き続ける日雇い労働者ジン。 あの世へ突っ立ったステンレス製の梯子は、アスファルトの上に忽然と出現し、たった5段の短さだ。
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- 和書
- 11/22/63 〈下〉