内容説明
渋沢龍彦の長年の友人であり最もよき理解者であった著者の故人に関する全エッセイを集成。
目次
魔術的睡眠者の肖像
文学史の悪魔(『悪魔のいる文学史』)
メートル原器のある庭園―渋沢龍彦について
夢の既視感(『幻想の彼方へ』)
成長のない自叙伝(『玩物草紙』)
70年代の渋沢龍彦(対談)
陽根切断(『唐草物語』)
玉の話(『ねむり姫』)
驚異博物館
ロココの現場(『うつろ舟』)
遊病記(「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」)
卵生の女(『高丘親王航海記』)
絵詞作者の肖像
出棺の辞
ふらんす怪談
庭園文学の系譜(『フローラ逍遙』)
精神のアラベスク
渋沢さんの靴
ある書誌学者といる渋沢龍彦〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
メイロング
3
          
            ずっとほしかった一冊。当初の普通の解説が重なるにつれ、じょじょに澁澤龍彦クロニクルが形作られていく。本人の死も通過点にすぎず、弔辞のあとは「澁澤龍彦とは何者だったのか」解釈と検証が続く。87年の死の余波は、令和の今日もかすかに感じ取れる。はっきり表に出ないが、古書店の暗がりには常に澁澤龍彦がいて今のサブカル読者を深海へ誘う。その妖怪の姿を間近で記録したのがこの本ではないか。問題があるとすれば、記録者もまた深海に誘う妖怪のひとりなのだ。2025/10/09
          
        AR読書記録
3
          
            種村季弘強化期間、なんだけど、これは澁澤龍彦を知るための本だった。が、そうはいっても共鳴しあっているわけで、ここに出てくるキーワードを種村季弘に当てはめても大過あるまい。このあいだは「逆転」「越境」「変換」を拾い上げてみたけれど、ここでは「うつろ」「入れ子」などが印象に残る。宇宙のなかの極小のなかにまた宇宙があり、虚は無ではなくむしろ全てを内包するものであり...って、何いってんだか自分でわからなくなってきたけど。ともあれ昔にオカルト方向からちょいとかじっただけの澁澤龍彦、もいちどちゃんと読んでみたいな。2014/10/30
          
        ヴァニユ
2
          
            この本も  何度も何度も読んでしまう。澁澤さんを語る 人々の眼差しに非常なる愛を感じる。 
          
        ねこふかふか
1
          
            タイトルに惹かれて(それと種村さんの文章も好きで)手に取ったけれど、渋澤さんに詳しくないと厳しいところも多かった…orz 特に本のあとがきはそのご本を読んでいないときついと思うのですがorz  それでも、渋澤さんの生きた時代と人物に関する話や本の紹介解説は興味深く楽しめたし、渋澤さんに向けられた種村さんの眼差しの真摯さも素敵だった。「渋澤さんの靴」がとても好きです。2017/08/19
          
        tamanegi
1
          
            中身を語れるほど、理解していないけれど、これは旅に出るとき持っていく1冊。 読み飽きない。種村さんから知る、澁澤龍彦の世界。
          
        


 
               
               
               
              


