内容説明
「この赤子は八幡神の生まれ変わりじゃ。武門二流、源平両家の血が流れている。すなわち、武門の頭領ということじゃて」はるばる鎌倉を訪ねてきた京都の大学者小野大雪は、八幡太郎の生涯を見事に予見していた。前九年の役の若きヒーローとして、歴史の表舞台におどり出た八幡太郎に対する、王朝貴族体制のさまざまな迫害と圧迫。太郎を支える新興武士勢力と陸奥の傀儡たち。そして太郎をめぐる美女の群れ…。新しい時代の魁として、歴史の過渡期を悠然と闊歩していった神話的巨人の雄渾で痛快無比な生涯が、鬼才谷恒生により初めて蘇る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くっちゃ
7
源平合戦の頃には、源氏にとって伝説的な存在となっていた八幡太郎義家。前九年、後三年の役で活躍するも、奥州の地はちゃっかり清衡に取られちゃった人。ただ、彼が合戦意外のところではどのように生き、どのような立位置だったのかはあまり掴めていなかった。武士において初めて殿上人となり、絶大な武威と財力で朝廷に対してここまで睨みをきかせていたとは。想像以上の大人物だった。しかし明確な後継者を定めず死去したことにより、源氏は白河法皇に掻き乱され、内紛を起こし凋落。平氏の台頭を許してしまう。2018/08/05
-
- 電子書籍
- リアルアカウント(15)