スラヴ吸血鬼伝説考 (増補新版)

スラヴ吸血鬼伝説考 (増補新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 282,/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784309006963
  • NDC分類 388.3
  • Cコード C0095

内容説明

ブルガリア、ユーゴスラヴィア、ポーランド、ウクライナ、白ロシアなどのスラヴ民族の心のひだにわけ入り、フォークロア資料を駆使して吸血鬼が生まれる原郷世界をたずねる画期的労作。

目次

序章 吸血鬼の原郷世界としてのスラヴ世界
第1章 スラヴ吸血鬼信仰
第2章 スラヴ吸血鬼説話
第3章 スラヴ夢魔信仰
第4章 スラヴ死神幻想
第5章 スラヴ人狼伝説
第6章 文学的吸血鬼
終章 一つの結論―吸血鬼バルカン・スラヴ起源説
増補(吸血鬼伝説の現実;贋吸血鬼の犯罪;南スラヴ吸血鬼譚管見)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三柴ゆよし

14
再読。キリスト教信仰とそれ以前の異教信仰、更には人種の坩堝とも言われる彼の地のごった煮文化が醸成されてできたスラヴ語圏の吸血鬼伝承は、やはり滅茶苦茶おもしろい。一口に吸血鬼と言っても、人狼、死霊、夢魔、魔女、ペストの擬人化としての死神など、さまざまなお化けの要素を取り込んでいて、全体像を容易に捉え難いのが魅力的。この界隈の本はもっと読みたいのだが、いかんせん日本語になってる関連本がすくない(いまだに日夏耿之介の『吸血妖魅考』を参照せざるを得ないもどかしさよ)ので、だれか有志の方が現れないものだろうか……。2020/11/07

組織液

14
スラヴ民族に伝わる吸血鬼を解説してる本です。思ったより読みやすくてよかった() 吸血鬼は勿論、人狼や夢魔などの民話が豊富に載っていました。吸血鬼退治でよく見る杭を打ち込む描写があるが、本来は殺すことが目的ではなく吸血鬼を呪術的に墓に釘付けにすることが目的であったというのは興味深かったです。あと「吸血を主要な活動目的としない他の幽鬼(中略)は吸血鬼から区別されるべきである」とありましたが、これは吸血鬼は血を吸わないくらいに考えていた方がいいと述べていた平賀栄一郎著の「吸血鬼伝承」とは対照的だなと感じました。2020/07/06

三柴ゆよし

8
貴族的な吸血鬼像の定着というのは、日本の場合、戦後のサブ・カルチュアの影響が大きかったのではないかと思うが、本書ではそうしたマス・イメージ的な吸血鬼は脇に置いて、垢抜けない、泥臭い妖怪としての吸血鬼を取扱っている。民衆の幻視世界において、吸血鬼とは畢竟、死の形象そのものであったということがよくわかる。ただ日本に「生ける死者」の伝承が存在しない理由について、火葬の習慣を挙げているのはいかがなものか。当然のことながら日本でも昭和初期頃までは土葬が主流であったはずである。(コメントに続く)2011/04/12

すがし

3
地域的にはヨーロッパに属しながら地中海沿岸の古代オリエントにおいては辺境であり、中世のキリスト教文化の伝播も遅れたバルカンにおけるスラヴの民俗史に、現代文明に市民権を得た「吸血鬼幻想」の源流を求める意欲作。吸血鬼がペストへの恐怖の表象であることから始まり、それがさらにスラヴの土俗の中で独特の発展を遂げていく過程を該博な知識と豊富な文献に裏付けられた説得的な、かつ流れるような流麗な文体で綴った名著。2012/10/11

hiro6636

2
2章まで。 スラヴ圏の吸血鬼伝説の豊富さにやや圧倒される。2022/10/03

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