天体議会(プラネット・ブルー)

天体議会(プラネット・ブルー)

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  • サイズ B6判/ページ数 199p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784309006819
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

友情と冒険のスペース・ファンタジー。彼方にきらめく南の光をもとめ、旅立つ、孤独な星の少年たち。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

56
まさに長野ワールド。ジャパネスクな要素を感じさせる言葉を極力排して、多くの鉱石の名前に象徴される、そしてその鉱石の輝きを表現するような言葉で構築された、全編がどこかの別世界を描いた詩として読める作品。それでいて活字として印刷された文面が、字間の空きからも、明治の日本文学でも読んでいるかのような錯覚を覚えさせるようにこの本は作られている。少年しか登場しないのだが、現実の少年たちとは別の価値観で彼らは行動し、どこか少女的、あるいは全員が自動人形であるかのよう。理系的ノスタルジーに満ちた、不思議そのものの一冊。2024/01/22

あんこ

29
『三日月少年漂流記』の水蓮と銅貨に再会できました。人口が激減して、家族形成や町が人工的に管理された近未来、という設定なのに長野さんの描くそれにはどことなくノスタルジアが感じられます。三日月少年を彷彿とさせるロボットのような美しい少年が出てきたり、鉱石や天体といった魅力的なモチーフも登場しますが、この物語は美しいだけではなく、少年たちの複雑な心境も描いていて時折切なくなりました。また『三日月少年漂流記』を読み返したくなりました。2014/09/09

Alice@JazzCafé

18
学校をサボって鉱石倶楽部で朝食。なんと粋なことをする少年たち!それに天体観測の集いを“議会”と命名するセンスの良さと言ったら!鉱物収集と天体観測が趣味で、悪戯をしたり冒険したりと、無邪気な少年たちの日々が描かれるが、近未来的でありながらレトロな雰囲気が漂う少年たちの住むプラネットで、彼らはどこか孤独で寂しげ。少年期を終え、“南”(大人の世界・未知の世界の象徴)へと旅立つ兄を見送った銅貨と水蓮だが、彼らはこの物語の中では永遠に少年のまま、今でもプラネット・ブルーで天体議会を開いているような気がする。2013/02/25

恋愛爆弾

15
やはり小説は港湾であるべきだ。読んでいる間、愛しさのあまり発狂しそうになって部屋の中で叫んだ。私の頭の中には横浜港があった。今は資本主義という悪の力によって遠くにいるが、愛してるぜ。2022/04/30

凪織

14
濃紺の夜空に宝石のような雪がちらちら舞っているような物語だった。鉱石みたいに冷たく、光を反射して光る。登場する少年達はそれこそビスクドールのような儚い美しさを感じさせるのに、様々な形の嫉妬という暗く重いものを抱えている。その嫉妬は寂しさに起因していて、一見醜く汚れた感情でありながら切なさを持っている。またその感情が少年達にしっかりとした輪郭を、影を与えているように思える。作中に出てきた、図書館に置いてある発光する硝子球がお洒落でとても魅力的だった。2015/08/21

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