内容説明
ぼくらに残されているのは最終出口だけなのか。危うさと痛みに彩どられた若者たちの夏―。新鋭、待望の作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あい
10
1981年~1985年に書かれた短篇3篇を収録。表題作はちょうど自分の生まれた年に書かれた作品らしい。「オーバー・フェンス」は映画化されてますね(見てないけど)。いずれも鬱屈した苦味のある青春小説。この人の描く青春は、楽しい嬉しい事ばかりのキラキラした嘘っぽさがないから好きなんだと思う。読む人は選ぶだろうし、青春謳歌してる真っ只中の若い子が読んでも「???」となりそうだけど。爽やかな余韻を残す「オーバー・フェンス」よりも表題作「黄金の服」の方が映像化が映えそうだし、小説としての完成度も高いと思いました。2022/12/17
マチ子
3
山下敦弘監督が2016年に収録作『オーバー・フェンス』を映画化するということで手に取った本。閉塞された青春の只中のぬるま湯のような倦怠と痛みにヒリヒリしながら読んだ。しかしこのオフビート感、山下監督が映画化しないで誰がするんだって感じである。公開を楽しみに待ちつつ、彼の他の作品も手に取ってみようと思う。2015/06/12
佐伯りょう
2
青春を描いた作品集。至る所に死を連想させるモチーフが鏤められている。硬質な空気をまといつつ、気だるく、閉塞感に満ちた毎日。ATG映画の原作みたいな雰囲気が好きだ。2011/07/06
nemuro
2
函館出身の作家・佐藤泰志。縁あって、今年4月に函館に越してくるまで知ることのない作家でした。本書に収録されていたのは1980年代に書かれた「オーバー・フェンス」「撃つ夏」「黄金の服」の3篇。いずれも、その時代の“若者の今”が感じられ、読了後、心地よく余韻が残りました。すでに故人ではありますが、また、一人素敵な作家に出合えました。2009/12/26
Junichi Wada
1
オーバーフェンス、撃つ夏、黄金の服の三篇を収録。市井の若者を主人公とした青春短編。 短編だからこそ、小説の続きが気になる作品だった。ある意味その点が短編の良いところなのか。自分で勝手に想像を膨らませてしまう。 2023/12/10
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