内容説明
貴公子“光源氏”をめぐる多彩な愛の冒険を描く不滅のロマン。世界十大小説の一つに数えられる日本最大の古典を、いま与謝野晶子の名訳で!全54帖を1巻に収めた待望の廉価普及版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大粒まろん
19
花散里のみ。第十一帖 花散里。桐壺帝の女御(妻のひとり)麗景殿女御は、帝亡き後、源氏の援助によって暮らしている。その妹、花散里は源氏がかって宮中あたりで逢瀬をかさね相手。源氏が25歳の5月20日頃、五月雨の空が珍しく晴れた日に、麗景殿を訪れます。その時に歌を詠む。〔源氏〕「橘の香を懐かしみほととぎす花散る里をたづねてぞとふ」一度は女御がつれなく詠むが、女御の邸は橘の花が香り、昔を忍ばせるほととぎすの声に源氏は女御としみじみと昔話を語り合い、その後そっと三の君を訪れ。ひと時の安らぎを得る。和歌は4首。2023/11/19
nobody
7
88日間の長い長い旅がやっと終わった。紫のゆかりとは皇族の臣籍降下で、本来的には藤壺の女御と紫の上、2人の紫の女源氏物語であった。3部構成とする通説は私には馴染まない。与謝野晶子の2部説の方がしっくりくる。即ち第33帖藤裏葉までを前編、以降を後編とし、作者は前編が紫式部、後編はその娘大弐の三位で、その間に26年を挟むとする説である。後編は衆望に応じた映画の続編で和歌も歴然と劣り、池田弥三郎による解説も前編のそのまた前半しか対象にしてない。確かに光源氏が準太上天皇としてゴールを迎えるのは藤裏葉なのだが、その2024/06/10
ぽんくまそ
7
(これは与謝野晶子訳です)やっと終わりまで読んだぞ。長かったああ。日本を代表する文学作品だから読んだという私は権威主義的俗物ですとも。「若紫」まで苦しんでがんばって読んだところで、ギブアップして捨てようと決めかけたら、慣れたのかそこから読むペースが楽になった。宇治十帖では鬼畜皇子匂宮のせいで、もう一歩でゴールなのに心が折れそうになった。四季の移り変わりを愛で、57577で即座にやり取りするミュージカルな毎日、琴を鳴らす光源氏・・・いにしえの特権階級よ、さらば。2014/05/17
アーチー
0
2ヶ月かけて読了(すんごい長い)。与謝野晶子訳、素晴らしかったです。光源氏が退場してからも面白い、めっちゃページターナーだった。美しくもはかない上流階級の恋愛模様、なんというドラマティックさ。2023/09/24