出版社内容情報
《内容》 推薦の言葉より1部抜粋
医療ソーシャルワークに関する専門書は必ずしも少なくない。し
かし,精神保健福祉分野と比べると,やや啓蒙的なソーシャルケー
スワーク論にとどまったり,医療扶助の解説であったり,体験的な
医療ソーシャルワーカー論であったりするなど,もの足りないとこ
ろが気にかかっていた。
今般,荒川義子・村上須賀子両氏の編集による『実践的医療ソーシ
ャルワーク論』は,以下の3点において従来の医療ソーシャルワーク
論の水準を飛躍的に引き上げる画期的な労作という感銘を受けた。
第1に,医療ソーシャルワークの業務体系が立体的に見事に整理
されていること。
第2に,医療ソーシャルワークの個別業務がきちんと分析され,その内容が医療現場の実践に裏づけられた的確な内容であること。
第3に,わが国の医療現場,福祉現場の実践に基づいて,当該制度の歩みがリアルに語られ,将来のMSWの国家資格化への展望が描かれていること。
こうした労作は,編集者の荒川・村上両氏をはじめ,執筆陣が全て医療ソーシャルワークの現場実践の第一線で活躍されていると同時に,日常的にも日本医療ソーシャルワーク研究会を地道に続けられてきた結果,はじめて輝きを生じたものとして高い評価に値する。
日本社会事業大学学長(社会保障審議会委員)京極 高宣
《目次》
■医療ソーシャルワーカーの新たな挑戦…荒川義子
■医療福祉環境の変化と医療ソーシャルワーカー
医療政策・社会福祉政策の変遷…山路克文
新しい医療関係における医療ソーシャルワーカー機能…遠藤正樹
医療ソーシャルワーカー実践の場の分化…金蔵常一
精神医療の動向と精神科ソーシャルワーカー…金子 努
■医療ソーシャルワーカー業務の変化
医療ソーシャルワーカーの業務実践の変化と退院援助…村上須賀子
退院援助の実際と退院援助システム化の創設(院内)…若林浩司
退院援助の実際と退院援助システム化の創設(院外)…黒木信之
■医療ソーシャルワーカー業務と実践環境整備
「医療ソーシャルワーカー業務指針」の意味と活用法…村上須賀子
医療ソーシャルワーカー業務指針…正司明美
組織的位置付けの意味…村上須賀子
組織的位置付けの戦略とその実際…金蔵常一
■医療ソーシャルワーカー業務スキル
医療ソーシャルワーカーのスキル構造…村上須賀子
医療福祉アセスメント…黒木信之
社会資源の活用…竹中麻由美
社会資源の創設…佐々木哲二郎
医療福祉の連携…河宮百合恵
業務報告のあり方とその実際…加藤雅江
医療ソーシャルワーク業務と電子カルテシステム…遠藤厚子・景山晴美
診療報酬を読み解く知識…加藤由美
■医療機関機能分化と医療ソーシャルワーカー業務実践
特定機能病院…荷見千草
地域医療支援病院…遠藤小百合
回復期リハビリテーション…大垣京子
療養型病床群…藤田花緒里
緩和ケア病棟…福地智巴
精神科病院…山舘幸雄
在宅介護支援センターにおけるソーシャルワーク…徳富和恵
■医療ソーシャルワーカーの国家資格化…武内昶篤
■付録:別表
わが国の医療制度・医療保険制度改革および
介護保険制度創設の経緯…山路克文
目次
第1章 医療ソーシャルワーカーの新たな挑戦
第2章 医療福祉環境の変化と医療ソーシャルワーカー
第3章 医療ソーシャルワーカー業務の変化
第4章 医療ソーシャルワーカー業務と実践環境整備
第5章 医療ソーシャルワーカー業務スキル
第6章 医療機関機能分化と医療ソーシャルワーカー業務実践
第7章 医療ソーシャルワーカーの国家資格化
付録 別表・わが国の医療制度・医療保険制度改革および介護保険制度創設の経緯
著者等紹介
荒川義子[アラカワトモコ]
関西学院大学社会学部教授
村上須賀子[ムラカミスガコ]
宇部フロンティア大学人間社会学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。