出版社内容情報
《内容》 全身の各関節中で肘関節のことは意外に重視されないことがあるが,肘関節は上肢機能の要である。実際,整形外科診察室で診ていると,肘関節の重要性を痛感することが多い。小児に高頻度にみられる肘の骨折と変形,肘のスポーツ傷害による投球障害,リウマチや変形性関節症による肘関節破壊に伴う上肢のアプローチ機能や把持機能障害,その他多くの原因による上肢機能障害が含まれる。何と広範な臨床領域であろうと痛感する。
本書では肘関節外科分野を細分して,それぞれ日本を代表する先生方の稿をいただいた。肘関節の概要から始まり,解剖,画像診断,手術進入路,諸傷害の各項にわたる臨床,そしてトピックスまで詳細に解説されている。
《目次》
肘の外傷と疾患の概要-最近のトピックスから 肘の解剖 肘関節-手術進入法 肘関節のMRI診断 関節鏡 肘の外傷小児期の外傷/成人の肘関節外傷/内反肘と外反肘-その合併症と矯正骨切り術 変形性関節症外傷後の変形性肘関節症/非外傷性の変形性肘関節症 スポーツ外傷離断性骨軟骨炎に対する手術療法/尺側側副靱帯再建術-Jobe法の改良 神経障害絞扼神経障害の診断/絞扼神経障害の治療 リウマチ肘RA肘関節の病態と手術適応/非接合型人工肘関節(セラミック)の適応と限界/工藤式肘人工関節 トピックス肘周辺の神経障害-回復度からみた手術適応のタイミング/新しく開発された人工肘関節システム(大阪大学式)