出版社内容情報
《内容》 腰部脊柱管狭窄(症)は,高齢者のQOLを阻害する最大の病態の一つであるが,命を落すわけではない。それだけに,診断や治療に当たっては,どこまでが約束できて,どこから医療提供者側にも判然としていないかを患者に明確に呈示することが求められる。この状態から医療提供者側に求められているのは,informed consentではなく,さらに進んでinformed decisionである。治療をするかどうか,どんな治療をするかは,患者にもその決定に参加して頂くことが重要である。 この特集を読むことにより,何がどこまで分かって,分かっていないことは何かが明らかになるので,本書は腰部脊柱管狭窄(症)に対する今後の診療や研究に大きく寄与するであろう。 《目次》 概念と分類/臨床解剖/病態把握・手術に必要な生体工学/基礎的研究からみた生理・病態/疫学/自然経過と予後/臨床症状と診断の進め方/鑑別診断/画像診断とその限界/電気診断法/各種治療法/手術的治療不良例の原因とその病態/術後の腰痛/特殊な病態に対する治療法/トピックス