出版社内容情報
《内容》 社会生活の欧米化,平均寿命の延長にともない,日本人でも動脈硬化性疾患の増加を契機として血管外科は発展したが,最近20年間に動脈のみならず静脈疾患についても多くの変化がみられている。診断面ではCT,MRIが普及し,治療面では血管内手術が低侵襲手術として発展し,いまや普及の段階に入った。血管疾患の治療はもはや外科医のみでは困難で,内科医および放射線科医の協力なしでは満足に行いえなくなったといえる。
本書では大血管から小血管まで,すなわち大動脈の病変から膠原病に至るまで日常遭遇する血管疾患のすべてを取り上げ,最近におけるこれら疾患に関する新しい概念,診断および治療の実際についてあまさず記載してある。また,参考文献としてごく最近のものまであげてあり,日常診療上大いに役立つであろう。
《目次》
1.末梢血管疾患の検査法
2.血管造影法
3.動脈瘤総論(成因)/胸部大動脈瘤/大動脈解離・解離性大動脈瘤/胸腹部大動脈瘤/腹部大動脈瘤/腸骨動脈瘤/腎動脈瘤/腹部内臓分枝の動脈瘤/四肢動脈瘤/頸動脈瘤
4.大動脈縮窄症
5.閉塞性動脈疾患閉塞性動脈硬化症/Buerger病/大動脈弓分枝閉塞症/頸動脈の閉塞性疾患/椎骨動脈閉塞症/腹部内臓分枝の閉塞性疾患/塞栓症
6.動脈疾患の外科的療法代用血管/血行再建術/血管内手術(閉塞性疾患の経皮的血管形成術,動脈瘤のステントグラフト内挿)/交感神経切除術/肢切断術
7.血管疾患における凝固・線溶能と治療法
8.血管神経の機能異常による疾患Raynaud病およびRaynaud症候群/振動障害(振動病)
9.血管炎症候群大動脈炎症候群(高安動脈炎)/側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)/川崎病/Beh稿t病/膠原病
10.動静脈瘻
11.血管外傷
12.腎血管性高血圧症
13.比較的まれな疾患胸郭出口症候群/膝窩動脈捕捉症候群/膝窩動脈外膜■胞/遺残坐骨動脈疾患
14.静脈の疾患血栓塞栓症/肺塞栓症/静脈瘤/慢性静脈不全症/門脈圧亢進症
付.日本における静脈疾患の手術数