感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tai
14
著者は、2020年、コロナ禍によって大学で臨床実習が出来なくなった中で物語や歴史上の人物を精神科診断させるレポートを学生に書かせた。第2波が収まりつつあった夏休み明けから対面授業や臨床実習も再開されたがこの診断演習は継続させたそう。コロナ禍の中で様々な工夫、取組みに頭が下がる。精神科の診断において重要なツール「DSM」は2013年第5版が最新、WHOの国際疾病分類ICDは、2018年にICD-18が発表され、和訳と日本への適用の最中とのこと。2023/03/12
Iwata Kentaro
14
献本御礼。これは面白かった。一気読みしました。有名人や小説の主人公の精神科疾患を論ずる本はかねてからありましたが、学生が診断して、これをプロが訂正するという「つくり」が見事。読者も思いっきり追体験できます。表紙も上手(医学書で装丁がよいものは稀有)。ルフィとLだけでも一読の価値アリです。ニューロダイバーシティを論じた医学書も(ぼくには)初めてでそこもよかったです。2022/10/19
あき
5
自治医科大の学生が、アニメ、歴史上の人物、ドラマの登場人物など、カテゴリー問わず診断するレポートを元にした本。のび太やクララ、大正天皇やジャンヌ・ダルクなどほんとに色々な人物が論じられていて興味深かった。2024/02/27
セイコリーノ またの名を「本の海賊」
5
良かった。おふざけエッセイとかなのかと思っていたら、大学での授業で医学生にレポートを書かせるもの。さまざまな主人公たちがどうなのか、と診断しようとするんだけど、冒頭に、彼らは「その世界」に生きているんだから、ハナからあり得ない、頭おかしい、と言ってはダメだよという今回の前提から始まる(大いに意訳) 秀逸なのはハイジのクララのこと、あと知らなかったけど半沢直樹の同僚の人のこと。滝藤賢一がやった役か? 今どきのマンガの主人公だけでもないので、一読の価値あり!2023/01/06