出版社内容情報
利用者ニーズに適した交通政策の実施、きめの細かい公共交通事業運営に向け、これまでの政策と制度の変遷を踏まえ、コミュニティーバスの現状と課題、導入事例が増えているデマンド型輸送の現状と課題について整理し、地域公共交通確保維持改善事業との関係、二部料金制の導入の是非等についても言及した読本。
内容説明
地域の足を守るコミュニティーバスを育成するための仕組みづくりや、利用者のニーズに適したサービスを提供するための創意工夫など、コミュニティーバスとデマンド型輸送の現状をレポートし、地域のインフラとしての課題を示す。
目次
第1部 コミュニティーバスの誕生と「ムーバス」の成功(コミュニティーバスとは;地方都市のコミュニティーバス;住民主体のコミュニティーバス;コミュニティーバスの課題;バス車両を用いた貨物輸送)
第2部 デマンド型輸送の現状と課題(デマンド型輸送;安易にデマンド型交通を導入させない対策)
著者等紹介
堀内重人[ホリウチシゲト]
1967年生まれ。立命館大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。運輸評論家として執筆や講演活動を行うかたわら、NPOでも交通問題を中心とした活動を行う。日本交通学会、公益事業学会、日本海運経済学会、交通権学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
33
過疎地などでは、運賃収入で収支均衡を図ることは極めて困難であり、教育・福祉、街づくりの面で「便益」があればよい(38頁)。日本一面積の広い村、かつ、琵琶湖と同じ面積の(47頁)十津川村の事例は説得力がある。500円で回る実証実験を2016年に行なった(48頁)。四日市市の場合、補助金ありきでなくて、自分たちでやってみようという試みが大切であり、地元商店などから協賛金を得て、試験運行したという(65頁)。バス事業の人件費は原価の56.7%で、経費で最大というのは、日本バス協会の2010年度のデータ2018/02/16
kaizen@名古屋de朝活読書会
17
#感想歌 地域社会組織化せずにバスのみを走らせみても募る赤字が バスタクシー乗り合い自動車形態は地域の需要代行ごとく 2017/09/12
naolog
5
図書館にて。95年に運行開始した武蔵野市の「ムーバス」についてはこの本が分かりやすかった。人口密度が高い地域で、一方通行の細街路が多かったのですね。ここの黒字を見てそのまま真似して失敗した地域が多いとか。そりゃ運行コストの約6割が人件費なら、日野のリエッセやポンチョみたいな小型バスじゃなくて、大型を導入したほうがマシな理屈になるんだろう。貨客混載やデマンド交通(要は予約型)について書かれているが、おまけ感あり。震災後に東北で出てきたBRTに触れないのはまだ未成熟だからでしょうか。2022/09/23