出版社内容情報
近代日本の都市や地域社会において、〈神社〉にどのような機能や役割が求められたのか。大正期の明治神宮造営をメルクマールと捉え、神社境内の環境形成におけるダイナミックな構造転換を繙く17篇の横断的論考集。
内容説明
近代日本において国家的・公共的存在とされた神社。変貌してゆく都市や地域社会のなかで、それはどのような機能や特質をもつ空間として期待され、いかなる環境・風致・景観が創出されようとしたのか―。大正時代の明治神宮造営を大きなメルクマールと捉え、神道史、建築史、都市史、地域社会史、造園史などを横断しつつ、神社境内の環境形成をめぐるダイナミックな構造転換を描く。
目次
第1部 神社造営をめぐる環境形成の構造転換(神社における「近代建築」の獲得―表象と機能、国民と帝国をめぐって;戦前日本における「鎮守の森」論 ほか)
第2部 画期としての明治神宮造営(明治神宮が“神社”であることの意義―その国家性と公共性をめぐって;近代天皇像と明治神宮―明治聖徳論を手がかりに ほか)
第3部 近代における神社境内の変遷と神社行政(神田神社境内の変遷と神田祭―祭祀・祭礼空間の持続と変容;明治初年の東京と霧島神宮遥拝所 ほか)
第4部 基礎的史料としての近代神社関係公文書(基礎史料としての東京府神社明細帳―「東京府神社関係文書」目録解題;山野路傍の神々の行方―「阿蘇郡調洩社堂最寄社堂合併調」一覧解題)
著者等紹介
藤田大誠[フジタヒロマサ]
國學院大學人間開発学部准教授/近代神道史・国学、日本教育史・体育史。昭和49年富山県生まれ大阪府育ち。平成9年3月國學院大學法学部法律学科卒業、平成19年3月國學院大學大学院文学研究科神道学専攻博士課程後期修了。平成19年4月~21年3月國學院大學研究開発推進機構助教。平成21年4月より現職。博士(神道学)
青井哲人[アオイアキヒト]
明治大学理工学部准教授/建築史・都市史。昭和45年愛知県生まれ。平成7年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程中退後、神戸芸術工科大学助手、日本学術振興会特別研究員、人間環境大学助教授(准教授)を経て平成20年より現職。博士(工学)
畔上直樹[アゼガミナオキ]
国立大学法人上越教育大学大学院学校教育研究科准教授/日本近現代史、地域社会史。昭和44年東京都生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程史学専攻単位取得満期退学。平成22年より現職。博士(史学)
今泉宜子[イマイズミヨシコ]
明治神宮国際神道文化研究所主任研究員/比較文化論。昭和45年岩手県生まれ。東京大学比較日本文化論学科卒業、ロンドン大学SOAS博士課程修了。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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