内容説明
本書は、キケロの記憶術に倣い「記憶の館」という設定である。各章は、館の室内であり、著者たちが「場所の精神」を訪ねたタージ・マハル、アルハンブラ宮殿、コインブラ、トレド、あるいはローマの街、その他多くの世界のすばらしい場所の思い出が集束されている。１８０余枚の直筆スケッチと共に記憶に留めた世界建築の空間構成と感性について、書簡形式で語る著作。空間の制作学ともいえる。欧米はもとより、イスラム、インド、中国、日本にも言及する。
目次
主題（到達する軸／彷徨う通路；計測する果樹園／整えるピラスター；離れる踊り場／合流する斜面／上り休息する階段；統御する境界／重なる壁／選択し変化するポケット；縁どる開口／前兆となるポータル；包囲する屋根／中心となるキャノピー；見渡す徴／内に宿る縁；戯れる光／出没する影／和らげる陰）
構成（定める部屋／光の中に漏れ出る空間；繰り返す類型／往来する秩序；想い起こす形／受け継ぎ、変様し、符号となる装飾；開化する庭園；とどまり結びつける水；動機となるイメージ）
著者等紹介
リンドン，ドンリン［リンドン，ドンリン］［Ｌｙｎｄｏｎ，Ｄｏｎｌｙｎ］
１９３６年ミシガン州デトロイト生まれ。１９５７年プリンストン大学建築学科卒業。１９５９年プリンストン大学大学院修士課程修了。１９６２年カリフォルニア大学バークリー校助教授。オレゴン大学、マサチューセッツ工科大学で教えた後、カリフォルニア大学バークリー校教授、マサチューセッツ工科大学客員教授。Ｌｙｎｄｏｎ／Ｂｕｃｈａｎａｎ Ａｓｓｏｃｉａｔｅｓ主宰
ムーア，チャールズ・Ｗ．［ムーア，チャールズＷ．］［Ｍｏｏｒｅ，Ｃｈａｒｌｅｓ Ｗｉｌｌａｒｄ］
１９２５年ミシガン州ベントハーバー生まれ。１９４７年ミシガン大学建築学科卒業。１９５６年プリンストン大学大学院修士課程修了。１９５８年プリンストン大学大学院博士課程修了。１９５９年プリンストン大学助教授。カリフォルニア大学バークリー校、イェール大学、Ｕ．Ｃ．Ｌ．Ａ．で教えた後、テキサス大学オースティン校教授。Ｍｏｏｒｅ Ｒｕｂｌｅ Ｙｕｄｅｌｌ，Ａｒｃｈｉｔｅｃｔｓ ＆ Ｐｌａｎｎｅｒｓ．Ｍｏｏｒｅ／Ａｎｄｅｒｓｏｎ Ａｓｓｏｃｉａｔｅｓ．主宰。１９９３年逝去
有岡孝［アリオカタカシ］
１９５３年東京生まれ。１９７９年東京大学工学部建築学科卒業Ｂ．ｉｎ Ａｒｃｈ．久米建築事務所。１９８５年Ｌｅｅｒｓ，Ｗｅｉｎｚａｐｆｅｌ Ａｓｓｏｃｉａｔｅｓ，Ｉｎｃ．Ｂｏｓｔｏｎ。１９８６年マサチューセッツ工科大学建築都市計画部大学院修士課程修了、Ｓ．Ｍ．Ａｒｃｈ．Ｓ．１９９３年有岡孝・都市建築設計室。長崎伝統芸能館１９７９／フォートポイント運河地区都市デザイン１９８５秋／藤岡市体育館１９８６／兵庫県芸術文化センタープロポーザル１９９１／官公庁街区都市デザインガイドライン監修１９９４／Ｋ‐ビジネスパーク再開発地区計画１９９９／Ａ‐Ｇｒａｖｅ Ｓｔｏｎｅ ２００４／Ａ‐住宅増築計画２００９他（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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