内容説明
名作を生んだ強靱な思索。『村野藤吾著作集』より代表論文12編を抜粋。モダニズム誕生の渦中にあって、建築の不変の価値を追い求めた真摯な感性が輝く。
目次
様式の上にあれ
「グラス」に語る
建築一言/商業的一面
建築の経済問題
動きつつ見る
商業価値の限界
日本における折衷主義建築の功禍
木とファンタジー
ディテールについて
建築家十話
わたくしの建築観
和風建築について
著者等紹介
村野藤吾[ムラノトウゴ]
明治24年5月15日佐賀県唐津に生まれる。大正7年早稲田大学理工科建築学科卒業。渡辺節建築事務所に入所。昭和4年村野建築事務所開設。昭和24年村野、森建築事務所と改称。昭和29年、31年、40年日本建築学会賞受賞。昭和30年日本芸術院会員。昭和37年日本建築家協会会長に就任。昭和38年イギリス王立建築家協会名誉会員。昭和42年文化勲章受章。昭和45年アメリカ建築家協会名誉会員。昭和47年日本建築学会建築大賞受賞。昭和52年毎日芸術賞受賞。昭和59年11月26日没、享年九三歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takeshi Numata
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人に薦められて読みました。パラパラと飛ばし読みなので今度もう一度図書館に行って借りようと思っています。 堅苦しい内容かと思いきや、案外読みやすいです。2017/05/01
i-miya
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18Cの終りにすでに様式再現の不可なること実証している 雅典(アテネ) しかし憫然(びんぜn)である クラシックのモールヂングやアカンサスや 3 科学進歩と審美的観念の時代錯誤 雲肘木―飛鳥 雲肘木 や 蟇股 鉄のブランケット 一尺角の大黒柱 →五寸角の鉄筋コンクリート ペンキ - 極彩色 君は1000年前に生まれた方が幸せだったよ パラペットのプロポーションが少々ぐらいどうであろうと、よい 美意識の根底からの改革がいる 建築家は、一面において科学者であらねばならぬ2009/02/03
こま
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現実の世界から将来を仰望しよう、すべて現実を歓喜し、現実の純真性の上に人の響を打ち鼓らそうぞ。2025/04/12
Kumi
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村野藤吾さんの建築が美しく、この本が出ていることを知り読みました。いろいろな時代の型にとらわれることなく社会と文化と科学に基づいた建築を作ってこられたことを改めて感じました。建築家に最後に1%が残る。その1%が時として全体に影響を及ぼすかもしれないから、いくら慎重であっても慎重すぎるということはない。2022/10/09