目次
1 日本の表現派―大正建築への一つの視点
2 大正建築の史的素描―建築におけるメス思想の開花を中心に
3 神殿か獄舎か―都市と建築をつくるものの思惟の移動標的
著者等紹介
長谷川堯[ハセガワタカシ]
1937(昭和12)年島根県生まれ。1960(昭和35)年早稲田大学第一文学部卒業。武蔵野美術大学造形学部教授。受賞・『都市廻廊』に対して“毎日出版文化賞”、『建築有情』に対して“サントリー学芸賞”。一連の建築評論活動に対して、“日本建築学会業績賞”(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
6
近代建築を人を監禁の場所と見なす著者は、建築がその獄舎性を忘却しようとして神殿を誕生させたと辛辣な言葉を浴びせる。大正期に登場した日本の表現主義建築を取り上げる本書は芸術派と構造派の消長を辿りながら、明治から昭和に向かう建築の構造派的「オス性」(外から押さえつける思想)に対して、大正建築は芸術派的「メス性」(内から自己性を構成する思想)というオルタナティブの萌芽が関東大震災によって潰え、建築家は獄舎を作りながら神殿を作っていると思い込むようになったとし(丹下健三批判)、建築家は常に加害者であると批判する。2025/08/09
999
3
なかなか面白かった。現代の建築の形を論じるには浅学で甚だしく学識に欠けるので控えるが「偉大な建築物を作ろうとする建築家がいなくなった」という言葉は突き刺さった。現代人は過去の遺物、あらゆる分野の良いとされた物の復元・リメイクしか出来ないのか。既存の建物はいずれ古くなる。この本では刑務所や議事堂などが挙げられているがこの建築物に課せられる要求によって名称が決まる。人間の営みが研究され尽くされつつある現代に真に新しい建築物はもう現れないかもしれない。既存の要求に応える刑務所をいくら新しく作っても、→2021/12/21
tkm66
0
想像していた以上に過激で哲学的な内容であった、との覚えが。ご子息が俳優として大成されるとは!2008/02/16
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