感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
産業革命の技術革新と工業化が生活世界に浸透する19世紀後半、手仕事を通して生活を見直す運動であるアーツ・アンド・クラフツ運動は、技術革新に乗りつつ技術と生活を見直すドイツ工作連盟、バウハウス、F・L・ライトの流れと、人間自身と生活を見直すW・モリス商会とその継承者たちの流れに分岐するという。手工芸品ではなく建築をテーマに、後者の流れをP・ウェッブの「レッドハウス」からマッキントッシュ、さらにスコットの「裸の古典主義」に至る20世紀初頭までを辿る本書を読むと、技術革新の最中の現代が二重写しされるかに思える。2025/09/04