感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
工業社会を背景にモダニズム建築が大量生産される戦後以降、人は物流同様に扱われ、機能的建築に取り囲まれる都市に行動を規制される逆転が起こる。この状況を鑑みた著者は、人が合理的空間から解放される空間を旧来の回遊式庭園に見出した。シークエンス(継起性)として取り出された歩き回る空間を、現代建築が乱立する都市に導入するにはどうすべきか?モダニズム建築批判を日本的文脈において試みる本書だが、継起的空間の分析が主であり、それを実践に移すビジョンまでは明示されない。が、他の本にある「かいわい」に関する構想は垣間見える。2025/08/23