内容説明
建築がいかに芸術として成立しうるかを、具体的な要素を分析しながら解明した入門書。
目次
序章 芸術としての建築
第1章 建築の大きさ
第2章 建築の形
第3章 建築内部のさまざまな形
第4章 配置
第5章 機能
第6章 知覚すること
第7章 建築の意味
第8章 建築的秩序
結章 三つの繋がり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
1930年代から興隆するモダニズム建築と60年代以後の批判を経た80年代、著者は工業社会を背景に機能に特化した建築を芸術として扱う観点を模索する。芸術分野での「作者の死」の議論と並行しつつ建築家と建築の関係の問い直しを図る本書は、知覚レベルから芸術を捉え直し、螺旋構造のF・L・ライト設計のグッゲンハイム美術館を例に、建築を住む者や訪れる者が「互いを見る」場とし、人間を「巻き込む」インスタレーション芸術に組み入れた。参加型芸術としての芸術の捉え直しという考えには、工業社会から情報社会への転回が垣間見える。2025/07/13