感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
反近代建築的姿勢が主流のアカデミーによる自らの建築や都市計画の実現阻止の行動に対して、著者は『建築十字軍 アカデミーの黄昏』等の書物で批判を展開している。本書は一連の批判の最後の書とされる。標準化に機能性と美を見出し、工学と建築の親近性を比較する「理論」、コンクリート材を用いて柱、階段、床の3要素から幾何学的機能美を提示する「解明」、アカデミー批判や国際連盟が採用したネノ・ブレーゲンハイマーの建築案が著者の案の剽窃であると告発する「補遺」の3部からなる。本書の後、著者は言葉から建築へ批判の場を移すという。2025/06/05