感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
著者が桂離宮を称賛し日光東照宮を「頽廃的」と批判した背景には、ローマへの回帰を標榜する建築アカデミーの古典主義的な装飾建築に対し、人間の動きと住居の機能を重視する西洋モダニズム建築が批判が投影されているように思える。一方1933年に来日し3年余り仙台と高崎に住むことになる著者は、人間中心のモダニズム建築からも距離を置き、自然の均衡を表現する媒介として人間を捉える考え方を日本の工芸や建築や庭園に見出した。本書は、日本滞在を通して美的価値を反転する著者の主張の背景に西洋的な美的価値の歴史性を浮き彫りにする。2025/06/18




