感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
ナチスのパリ侵攻とその混乱の中で書かれたという本書は、無秩序化する都市をどう秩序づけるかという課題から始まる。工業化する都市と過疎化する農村と無秩序に広がる郊外をスプロール都市と見なし、田園都市計画での不足を課題とした著者は人間、住居、都市を結ぶ交通路線に沿った線状都市計画(『輝く都市』)を農村の経営単位も含めて推し進める。多くの図版や事例を用いた本書は、その応用的な都市計画研究である。著者は生命を念頭に秩序概念を都市へと拡張するが、住む機械としての住居を通すと秩序が機能に集約していく過程が垣間見られる。2025/06/10




