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孤独な建築家の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
バロック建築の運動性から現代へと建築を人間の活動から捉える著者は、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライトらモダニズム建築が標榜するボリューム空間もそれ以前のアプリオリな空間概念の上に立っていると指摘する。一方、人々の活動が建築を生成し、そこから構成される空間という著者の考えは、生きられた経験に依拠するゆえに歴史と地域によって多様な観点から解釈される。この点で、モダニズムの量的空間から著者の身体行為の建築へのシフトはC・アレグザンダーの「質」の空間に呼応する(1966刊)。2025/07/12
Ito Makoto
0
上巻での時代を追って考察してきた長い下りから一気にまとめる本。V章の「建築をどう理解するか」のために上巻があると言っても過言ではないほどである。この章はとてもよくできていて今までの漠然とした「空間」という概念の見方を読者に授けるものであると感じた。この本は建築を志す人は必ず読むべきだと思う。あいまいな空間というものでなく、そこに「空間というものが実在する」ということをはっきりとその感覚を得ることができる。2012/03/03
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